11月15日、7─9月期国内総生産(GDP)が7四半期連続のプラス成長となり、「いざなぎ景気」を超す景気拡大を続ける日本経済だが、経済の実力を表す潜在成長率は0.8%程度と、1%に満たない低温経済が続いている。写真は都内で昨年2月撮影(2017年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 15日 ロイター] - 7─9月期国内総生産(GDP)が7四半期連続のプラス成長となり、「いざなぎ景気」を超す景気拡大を続ける日本経済だが、経済の実力を表す潜在成長率は0.8%程度と、1%に満たない低温経済が続いている。労働力人口の減少に加え、それを補うはずの企業の生産性が改善していないことがその要因だ。とくに、日本経済の足腰を支える中小企業のIT化の遅れは、政府内でも深刻な課題とみられている。

目立つIT投資の遅れ

「相変わらず低温経済が続いている」──プラス成長の継続にも経済官僚たちの顔色はさえない。労働力人口が急減し始める2025年を目前にして、課題を乗り越えるための生産性がいっこうに改善しないためだ。

 日本企業の生産性は国際的にみても実力は低い。日本生産性本部の試算では15年現在の日本の一人当たり労働生産性はOECD35ヵ国中22位。就業1時間当たりでみても20位にとどまり、米国の6割強の水準だ。主要先進7ヵ国中では最下位の状況がこのところ続いている。とりわけ中小企業の生産性が低いことが日本全体の足かせとなっている。

 中小企業庁の分析では国際的にみて大企業の生産性は製造業から非製造業に至るまでむしろ先進国を凌ぐ高さとなっている一方で、中小企業では飲食・宿泊業を除いてほとんどの業種で見劣りする。とりわけ製造業、運輸、情報通信業の生産性の低さが大きな課題となっている。

 中小企業庁が野村総合研究所に委託した16年11月の調査結果では、IoT(もののインターネット化)や人工知能(AI)、ビッグデータ、ロボット等を活用している企業は活用内容として最も多い「顧客ニーズの把握」でも2%程度にとどまる。活用を検討している企業も6%程度。ほとんどの中小企業が活用すら検討していない状況だ。その理由として「技術やノウハウを持つ人材の不足」を挙げた回答が半数弱を占めている。