社会人ならば誰しもが日々付き合っている「メール」ですが、その文面に悩んだことのない人はいないはず。「やたら長すぎて伝わらない」「丁寧のつもりが誤った日本語」「冷たい印象を感じる」「慇懃すぎて逆に失礼に感じる」…こんなメールをもらって驚いたことはないでしょうか? そこで、いま話題の書籍『気のきいた短いメールが書ける本』を参考に、馴れ馴れしくなく、よそよそしくない、“ちょうどいい”メールが書けるテクニックお届けします。まずは、けっこう悩む「様」「さま」問題から。

宛名は「様」「さま」「さん」、どれが正しいの?

 「様」か「さん」か、肩書はつけるべきかどうか…、普段何気なく送っているメールにもルールがあるのをご存じでしょうか? 何となく迷いつつ使っている人も多くいると思うので、今回は、『気のきいた短いメールが書ける本』から、お仕事メールの基本をお教えします。

『気のきいた短いメールが書ける本―そのまま使える! 短くても失礼のないメール術』 中川路亜紀・著 ダイヤモンド社・刊 定価:1300円(税抜)

 以前は、メール本文中に宛名を書く習慣はありませんでしたが、最近はビジネスメールでは必須と考えられるようになりました。その経緯を考えると、必要性よりも儀礼的な意味合いが大きいことがわかります。

 とすれば、宛名を「さん」付けにするのは、手紙の封書の表書きが「○○さん」となっているようなもので、ビジネスメールでは奇妙です。ですから、「さん」ではなく、「様」もしくは以下のような敬称をつけるようにしましょう。宛名もTPOに合わせて使いわけるのがベストです。

「様」…もっとも一般的。
「さま」…親しみをこめた呼び方としてよく使われており、失礼ではない。初めての相手やフォーマルな通知などにはつかわない。
「先生」…教員、弁護士、議員、文筆家、講師などへの敬称。
「各位」…「の皆様」の意味。「各位様」は敬称の重複になり間違い。
「皆様」…複数への呼びかけ。「○○の皆様」と書いてもよい。
「課長」…役職名は、名前の後ろにつけると敬称になる。

 役職名は、○○課長と書くか、普段はあまり使いませんが、初めてメールを出すときや、フォーマル感を出したいときは、肩書きをフルセットとして、次のように書きます。

株式会社 山川商事
開発課
課長 鈴木次郎 様

この場合、(株)と略さず、株式会社と書きましょう。ただ、日常業務では、

鈴木 様

と名字だけでも十分です。名前と敬称の間に1文字空けるかどうかには決まりはないので、好みの使い方で問題ありません。