[東京 16日 ロイター] - 全国銀行協会の平野信行会長(三菱UFJフィナンシャルグループ<8306.T>社長)は16日の定例会見で、日銀の黒田東彦総裁が指摘した金利を下げ過ぎると金融仲介機能に悪影響を与え、緩和効果が反転するリスクについて、「その状況が姿を見せつつある。近い将来起こってもおかしくない」との認識を示した。

日銀の黒田総裁は13日、スイスのチューリッヒでの講演で、金利を下げ過ぎると預貸金利ざやの縮小によって金融仲介機能に悪影響を与える「リバーサル・レート」の議論に言及した。

平野会長は、大規模緩和について日本経済や産業の競争力などを改善するために必要としたものの、年金基金や金融機関への影響を考えると「恒常化することは望ましくない」と指摘。「今は問題ないかもしれないが、長く続くと社会インフラとしての金融機関や金融システムに大きな影響が出てくる可能性がある」との懸念を示した。

14日までに出そろった三菱UFJなど3大銀行グループの17年4―9月期決算については、共通点として国内の預貸金利ざや縮小、法人向け融資や住宅ローンが減少していることを挙げた。その上で「本業の力を示す業務純益が総じて厳しい結果となった」と分析。当期利益は与信関係費用の戻しや、株式関係損益、為替影響で押し上げられたとし、「一時的要因に支えられた」と説明した。

IMFがまとめたリポートに触れ、国際的に活動する金融機関のうち、邦銀を含めた一部金融機関の持続的収益確保の懸念について「低金利環境、金融規制、流動性が足かせになっているとの指摘は的を得ている」と語った。

(布施太郎)