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グローバル・マネジメント進化論

海外事業の成長をリードするグローバル人材をいかに育てるか――ユニ・チャーム 高原豪久社長

【第2回】 2011年11月30日
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ユニ・チャームの売上げのなかで海外事業は4割超を占め、その比率はますます高まっている。同社ではエース人材を海外に送り込み、10年間という長期スパンで現地でのビジネスに責任を持たせている。こうしたグローバル人材は、同社の掲げる「共振の経営」を現地法人に浸透させるうえで大きな役割を担う。その一方、人材の底上げに注力することで、組織全体の能力を高めている。本稿は、11月9日にDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー創刊35周年記念セミナーで行われたユニ・チャーム社長高原豪久氏の講演内容より、同社のグローバル展開を担う人材育成戦略についてまとめたものである。

高原豪久氏たかはら・たかひさ/ユニ・チャーム代表取締役 社長執行役員。1961年生まれ。86年成城大学経済学部卒業後、三和銀行入行。91年、ユニ・チャーム入社。94年台湾現地法人副董事長(副会長)。97年常務取締役。サニタリー事業本部長、国際本部担当、経営戦略担当などを歴任後、2001年6月より現職。

インドネシアの紙オムツ市場で
50%超のシェアを獲得

 ユニ・チャームが海外での事業をスタートしたのは、1984年のことである。まず香港と台湾でビジネスを開始し、その後タイや欧州、韓国などに拡大した。ただ、90年代前半までは、どちらというと受け身の進出だった。パートナー企業の誘いに応じて、現地マーケットで販売するというパターンである。

 当社が自ら主体的に海外展開に取り組み始めたのは、1995年の中国進出以降である。その後、グローバル・ビジネスは着実な成長を遂げてきた。現在、ユニ・チャームは世界の81ヵ国で、製品を生産または販売している。直近の2011年度中間決算では、総売上の44.1%を海外事業が占めている。

 海外事業の一例として、インドネシアでのベビー用紙オムツ事業を紹介しよう。同国に現地法人を設立したのは1997年である。

 インドネシアでは現地の人たちの日常生活を体験し、育児習慣を感じとるよう努めた。現地の家庭を訪問して、徹底的な観察を行いながら、その中から生まれるインサイトを重視した。

 当社には、「消費者がオムツに使う費用には、収入に占める割合で一定の上限がある」という経験則がある。この経験則とターゲット層の平均世帯収入を掛け合わせ、想定される月間支出可能額を設定。その上で、まずは紙オムツの必要度が高い外出時や夜間就寝時に使ってもらえるような1枚あたりの適切な価格を求め、この価格を実現するために様々な工夫を重ねた。

 また、必要なときに必要なだけ買うというローカルなニーズに対応し、スーパーなどのチェーン店向けのまとめ買い用のレギュラータイプのほか、パパママストア向けに1枚入りのパックを提供し、現地の主要な販売チャネルである現金問屋やパパママストアなどの開拓を進めている。

 こうした取り組みが奏功し、現在では現地マーケットにおけるシェアでは圧倒的なナンバー1の地位を得ている。

 近年のインドネシアでは、所得水準の向上もあって、紙オムツの使用枚数は急増している。紙オムツが、人々のライフスタイルを変えつつある。モノの提供を通じて、私たちは価値という現象(コト)を提供しているのである。

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