経営 × 人事評価

“従業員エンゲージメント”の向上なしに
「企業の持続的成長はない」理由

2017年12月11日
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圧倒的な売り手市場の中で、持続的成長を続ける企業は「従業員エンゲージメント」が高いと言われている。企業業績を向上せるエンゲージメントと人事評価制度はどう関連するのか? あしたのチームの高橋恭介社長に聞いた。

 この3年で雇用環境は劇的に変化した。そのパラダイムシフトに気づいていない経営者があまりにも多い、と高橋恭介社長は警告する。

 「最近、売上げ好調の経営者がよく口にするのは、“あと5人、優秀な営業マンがいれば売上げはもっと伸びるのに”という言葉です。私はこれを“人のタラレバ”と呼び、そのメンタリティを持つ経営者に危機感を抱いています」

株式会社あしたのチーム  高橋恭介(たかはしきょうすけ)代表取締役社長株式会社あしたのチーム 高橋恭介代表取締役社長
大学卒業後、興銀リース株式会社に入社。2002年にプリモ・ジャパン株式会社に入社。副社長として人事業務に携わる。2008年に株式会社あしたのチームを設立、代表取締役社長に就任。「はたらく人のワクワクを創造し、あしたに向かって最高のチームをつくる」を企業理念として、1000社を超える中小・ベンチャー企業に対して人事評価制度の構築・運用サービスを提供する実績を持つ。

 振り返れば、リーマンショック後の2009年には有効求人倍率が0.4まで下がり、企業経営者はレイオフを断行せざるを得ない苦渋の選択を迫られた。それから2014年にかけて、正社員の求人広告を出せば人はラクに集まる時代になった。廉価な労働力の確保が継続的にできるという前提で、企業経営はオペレーションされてきたのだ。

 だがそれは、行き過ぎたローコストオペレーションだった。

 2012年の第2次安倍政権発足から5年、株価と雇用環境は改善し、今や有効求人倍率は1.52に上昇し、失業率は2.8%にまで下がっている。ローコストオペレーションはもはや通用せず、よほど魅力的な事業と待遇を擁し、よほど魅力的な未来を描かない限り、人は集まらず、門を叩いてもくれない。その状況に気づかない、あるいはその現実に目を背ける経営者が多いというのだ。

 「指標のすべてが経済の好循環を示している中で、売上げに手応えを感じているのはあたりまえ。ただし成長への阻害要因として“人がいない”公然と言うのは時代錯誤であり、何の対処もしなければ、優秀な社員は辞め、優秀な人材を採用できず、いずれ経営は行き詰まるという事実に気づいていないのです」

 そのタイプの経営者に共通するのは、社員と向き合わずパワーマネジメントに陥り、人事管理におけるエンゲージメントのリテラシーがないことだと高橋社長は指摘する。

「従業員のエンゲージメント」が業績に影響を与える

 エンゲージメントとは、「従業員の一人ひとりが、企業の掲げる戦略や目標を適切に理解し、自発的に自分の力を発揮する貢献意欲」のことである。

 職場におけるエンゲージメントについて20年以上前から研究がされており、2007年頃から米国で「従業員エンゲージメント」として広く認知されるようになった。

 人事戦略コンサルティングのグローバル企業、ウイルス・タワーズワトソンの調査によれば、「持続可能なエンゲージメント」のレベルの高い企業は、エンゲージメントの低い状態の企業に比べ、1年後の業績(営業利益率)の伸びが3倍という結果が出ている。

エンゲージメントが高い企業は1年後の営業利益率が3倍に!

 さらに、エンゲージメントレベルの高い人は、転職や退職の可能性が低いことも報告されている。

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