11月15日、いよいよ日本で「Amazon Echo」シリーズが発売されました。

Amazon Echo発売で見えてきた、スマートスピーカーの次の課題
筆者もEchoの招待を受け取って購入できた。

 招待制という販売モデルが話題を呼んだEchoですが、果たして前評判通りスマートスピーカーの「本命」なのでしょうか。

「招待制」という販売モデルの謎

 アマゾンはEchoの発売にあたり、リクエストを送った人を招待していく「招待制」を採用しています。一般的な予約販売とも異なるため、いったいどういう基準で招待されるのか、ちょっとした混乱が起こりました。

Amazon Echo発売で見えてきた、スマートスピーカーの次の課題
招待されると届くメール。基準はよく分かっていない。

 筆者は発表会の途中で招待リクエストを送ったものの、仕事用とは別の個人アカウントを使っており、報道関係者だから優遇されたということはなさそうです。11月15日の発売日になってもレビューできる機材はなく、業界内でも「どうなっているのか」と戸惑いの声が上がっていました。

 米国では在庫が潤沢にも関わらず、なぜ日本で普通に売らないのかはよく分かりません。ただ、米国では最大の商戦期であるブラックフライデーを控えていることもたしかです。その中で日本向けの在庫を何台確保できるか見通しが立たず、予約ではなく招待という方式を採用した可能性が考えられます。

 そして製品の到着後は、セットアップに失敗するとの声が相次いでいます。筆者の環境でも最初はWi-Fiにつながらず、ルーターの再起動を何度かやり直すなどちょっとした苦労がありました。

買い物は「履歴からの再注文」が実用的

 さっそく試したのがアマゾンからの買い物です。発表会時点では未対応だったものの、Amazonが発送する商品の一部はすでに買えるようです。「アレクサ、アマゾンで買い物したい」とスキルを呼び出し、「ミネラルウォーター」などと言うことで候補を出してくれます。

Amazon Echo発売で見えてきた、スマートスピーカーの次の課題
Amazonが販売する商品の一部は音声だけで買い物できる。

 もちろん、音声だけで膨大な商品から目当てのものを探すことは困難です。しかし注文履歴にある場合はそれが優先してヒットするので、定期的に同じものを注文する買い物ではなかなか実用的です。子供のいたずら対策としてはAlexaアプリから4桁の確認コードの設定が可能となっています。

 全体的に日本語でのやりとりはGoogleアシスタントに比べてぎこちなさが残る印象です。しかしアマゾンには日本語音声が大量にアップロードされているはず。クラウド側ではユーザーの「声」を反映した改善が期待できます。

「ユーザー以外の声」に反応する問題

 こうしてグーグル、アマゾンと海外で人気のあるプラットフォームが出揃う一方で、利用の拡大に伴い摩擦も出てきそうです。特に気になるのは「ユーザー以外の声にも反応する」問題です。

 LINEによるClova WAVEのテレビCMでは、「テレビを消して」という声に反応したClovaがテレビを消してしまう問題が話題になりました(その後CM内容は変更された)。「テレビが消える」という現象自体はほぼ実害はないと思われるものの、業界ではやや深刻に受け止められています。

 というのも、米国ではテレビ番組の呼びかけに反応した全米のEchoが商品を注文するという事件が起こり、テレビから音声アシスタントの反応を誘うような呼びかけは自粛しようというムードになっていたからです。

 たしかに、テレビCMで使い方を示すためにウェイクワードが流れることはやむを得ません。この点でグーグルはかなり慎重になっており、「OK Google」という声に反応するものの、以後のコマンドはクラウド側でテレビCMと判定して動作しないよう対策しているとのこと。

 一方、Amazon Echoも英語設定ではグーグルと同じ対策をしているように見えるものの、日本語設定ではCMにつられて動作してしまうあたり、やや詰めの甘さを感じます。10月には米国で「ボイスプロファイル」に対応したことで買い物時の本人確認やパーソナライズ機能が進化しており、日本版Alexaへの対応にも期待です。

 また、アップルのHomePodは英語圏での発売が2018年に延期されたと報じられていますが、このあたりをどう対策してくるかも注目です。