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経済ジャーナリスト 町田徹の“眼”

続投に執念燃やす日本郵政・西川社長
「閣僚罷免」や「政局」を招くリスクも

町田 徹 [ジャーナリスト]
【第77回】 2009年5月29日
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 辞任か、それとも続投か――

 鳩山邦夫総務大臣の再三の“辞任勧告”を一顧だにせず、日本郵政の西川善文社長が続投に執念を見せている。

 客観的に見れば、「かんぽの宿」の叩き売り問題で「業務改善命令」を受けたばかりか、数々の出来レース疑惑が噴出。さらに、ダイレクトメールの不正利用事件では逮捕者まで出しており、これ以上、西川氏に郵政民営化という大事業をゆだねることへの不安は大きい。

 しかし、西川氏は、同社の指名委員会による続投の支持や、上げ潮派の政治家・エコノミストの後押しを背景に、首相官邸にまで働きかけて、その地位にとどまろうとしているという。

 この西川氏の挑戦は、企業統治制度の信頼性を損ねるリスクや、鳩山邦夫大臣らを罷免に追い込みかねない問題、そして政局を流動化させかねない危険をはらんでいる。

西川社長は国会の追及にも
辞任をきっぱりと否定

 旧富士銀行出身の富岡由紀夫参議院議員(群馬県選出、当選1回、民主党)は5月26日の予算委員会で、日本郵政の西川善文社長にまるで辞任を迫るかのように、

 「日本国民は西川さんに社長をやってもらいたいと思っているとお考えですか」

と、問い掛けた。ところが、西川氏は、とんでもないという顔で、

 「私は平成17年の秋に日本郵政株式会社への社長就任を強く要請されまして、平成18年1月、準備企画会社社長に就任。以降、郵政民営化という大きなプロジェクトを成功に導くべく努めてきた」

 「私といたしましては、いったん引き受けた以上、民営化の土台をしっかりと築くことが私に与えられた責務であり、また果たすべき責任」

 「今後も、お客様や地域の皆様に喜ばれ、社員が誇りを持って働けるような日本郵政グループとして発展できるよう、現場の意見もよく聞きながら、引き続き私自身が責任を持ってより良い民営化の推進に取り組んでまいりたいと考えている」

と、辞任をきっぱり否定した。

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町田徹 [ジャーナリスト]

1960年大阪府生まれ。神戸商科大学(現兵庫県立大学)卒。日本経済新聞社に入社後、記者としてリクルート事件など数々のスクープを連発。日経時代に米ペンシルバニア大学ウォートンスクールに社費留学。同社を退社後、雑誌「選択」編集者を経て独立。日興コーディアルグループの粉飾決算をスクープして、06年度の「雑誌ジャーナリズム賞 大賞」を受賞。「日本郵政-解き放たれた「巨人」「巨大独占NTTの宿罪」など著書多数。


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