[ロンドン 22日 ロイター] - 英国のハモンド財務相が22日、予算案を公表した。経済成長見通しを引き下げ、今後10年間にかけ借り入れが大きく増えると見込む。ただ、欧州連合(EU)離脱に伴う影響を相殺するため、向こう数年間の歳出を増やす計画も明らかにした。

予算案では、初めての住宅購入者が最大30万ポンド(39万7500ドル)相当の物件を買う際にかかる税金を撤廃するほか、燃料税凍結を維持し、医療サービスへの歳出を増やす方向だ。

住宅不足にも対処する。2020年代半ばまでに年平均で差し引き30万戸を追加で供給するため、5年間にわたって資金供給や融資、保証に440億ポンドを投じるとした。

また、EU離脱に備えるため、30億ポンドを追加的に割り当てた。

2021/22課税年度末までの借り入れ額は、予算責任局(OBR)が8カ月前に示した予想から、291億ポンド増大する見通し。

企業支援向けには、固定資産税のいわゆる事業税引き上げペースを落とすほか、研究開発関連の税額控除を拡大する。

景気支援に向けた準備資金はほぼ半減して148億ポンドとなった。

OBRは17年の国内総生産(GDP)伸び率見通しを1.5%に引き下げ。3月時点では2.0%を見込んでいた。EU離脱決定の影響が重しとなって、景気が減速する状況を反映させた。

18年の成長率見通しも1.4%と、前回予想(1.6%)から下方修正した。

19、20年の見通しはともに1.3%とし、3月時点の予想(1.7%、1.9%)から大きく引き下げた。

成長見通し引き下げについて、OBRは生産性予想の下方修正などに基づくと説明した。

21、22各年の成長率見通しは1.5%、1.6%と、加速ペースは緩やかだ。

税収の落ち込みに加えて成長の鈍化で、20年代半ばまでの財政黒字化に向けた道は険しくなる見通しだ。

ハモンド氏は、今年と18/19年度の借り入れが減少するものの、景気減速の影響を受けその後は増加するとの見通しを示した。

21/22年度までの財政赤字は対GDP比で1.3%と、前回予想(0.7%)のおよそ倍に拡大するとみられる。

債務の対GDP比は今年の86.4%がピークで、その後低下する見込みだ。