市場は優秀な人材の獲得には
お金を惜しまないムード

 連日のように人材不足のニュースが伝えられていますが、賃金については全体的に上昇するという状況にはなっていません。

 しかしマネージャークラスやエグゼクティブ層の人材に関しては、状況が異なります。彼らのような層は、今期(2017年4月~)に入ってから、大きく年収アップして転職するケースが増加する傾向にあります。

 その背景には、優秀な人材には必ず複数の企業からオファーが出ることがあります。転職を考えていると分かれば周囲も放っておかないので、知り合いからも声が掛かります。まさに「引く手あまた」の状況になるため、ライバルの存在を意識した企業が給与額を上乗せしてくることが多いのです。

 従来であれば、年齢や経験に合わせ、社内の給与規定等に沿った自社相場を提示してくる会社が多くありました。今でもそういう会社は少なくありません。ただ、採用に本腰を入れている会社であれば、従来のスタンスを変えて提示額をドンとアップしています。逆に言うと、それができない会社は優秀な人材を採れていません。

採用競争に勝つ会社
負ける会社の違い

「年収アップ採用」をしている会社の特徴は、まず儲かっていること。そして経営者が強く「良い人材を採用したい」と考えていることです。実は、給与規定が比較的しっかり定められている大企業でも、杓子定規な提示をする会社ばかりではありません。まだマジョリティとは言えませんが、好調な大企業は柔軟に市場の相場に合わせた給与額を提示しています。

 そうした企業は優れたビジネスの仕組みで稼いでいるところが多く、仕組みを作る人材への投資を惜しみません。

 この傾向は、まだ儲かっていない、投資段階のようなベンチャー企業にも見られます。以前は提示する給与額が渋かったのですが、最近は資金調達が容易になりキャッシュリッチになっているベンチャーが多いので、やはり優秀な人材にはお金を出すようになっています。