[ドバイ/ロンドン 23日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は、中核を成す中東湾岸諸国の結束が急速に崩れつつある。盟主サウジアラビアとカタールの対立が深刻化するなど反目が広がって意思の疎通にも支障が生じており、今後の政策決定に影響が及びそうだ。

OPECは来週30日にウィーで総会を開く。しかし複数のOPEC筋によると、湾岸諸国はサウジ・カタール問題のせいで、通例となっている非公式の事前協議を今回は見送った。

あるOPEC高官は「(対話アプリの)ワッツアップには、湾岸諸国の石油相と代表全員が入るチャットルームがあった。以前は盛況だったが、もう閉鎖されてしまった」と話した。

他の4人のOPEC筋によると、サウジやアラブ首長国連邦(UAE)などOPECの主要産油国が参加する湾岸協力会議(GCC)では、石油政策について公式の打ち合わせが行われていない。

サウジとUAEは6月、テロを支援し、イラン寄りだなどとしてカタールと断交した。

別のOPEC筋によると、サウジとUAEの石油相はカタールの石油相と公式には会うことができず、この問題で中立的な立場を取っているクウェートやオマーンの石油相を通じてカタールにメッセージを伝えているという。

<台頭するシーア派>

OPECは1980年代のイラン・イラク戦争や1990年のイラクによるクウェート侵攻など、もっと大きな危機を切り抜け、もっと深刻な対立下でも運営を行ってきた。

今回の総会でも加盟国は減産継続で意見が一致しており、減産期間の2018年末までの延長で合意するとのシナリオが覆ることはないとみられている。

ただ、OPECの中核国が油価安定に向けて統一戦線を形成できていないため、加盟国間の対話は難しくなりそうだ。この結果、OPEC内部でサウジなどイスラム教スンニ派連合が弱体化する可能性もある。折しもシーア派が支配的なイランやイラクは力を蓄えている。

先のOPEC高官は「GCCが政治的に崩壊すれば、OPECの政策に影響が波及するのは間違いない。政策判断ができなくなることはないだろうが、より難しくなる」と述べた。

その上で「スンニ派のカタールが同じ宗派のサウジやUAEと会話をしなくなり、OPEC内ではスンニ派の勢力が弱まっている。一方、(シーア派である)イランとイラクは連携を強めている」と指摘した。

石油埋蔵量で世界第4位と5位のイラク、イランは、OPEC加盟国で最も生産の伸びしろが大きいとみられ、連携すれば盟主サウジにとっては最大の脅威となり得る。

別のOPEC筋は「サウジは(イランとイラクが連携する)脅威をよく理解しており、イランのイラクに対する影響力をそごうと躍起になっている」と話した。

サウジとイラクはイスラム国との戦いやイラク復興で協調するなど、このところ関係が改善している。

10月にはサウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相がイラクを訪問し、経済やエネルギー分野での協力促進を呼び掛けた。

(Rania El Gamal記者、Dmitry Zhdannikov記者)