[27日 ロイター] - <為替> 税制改革法案の討議再開が注目されるなか、翌日にパウエル次期連邦準備理事会(FRB)議長の承認公聴会を控え、当初軟調だったドル指数が上昇に転じた。

主要6指数に対するドル指数<.DXY>は一時は9週間ぶりの低水準となる92.496まで下げたものの、その後は0.12%高の92.893に戻した。

減税実施が遅延するとの懸念がここ数週間ほどドルに対する重しとなっていたが、トランプ米大統領はこの日、税制改革法案は「順調に進捗している」とツイート。XE(トロント)の首席市場ストラテジスト、レノン・スウィーティング氏は市場はこのところ非常に敏感になっているとし、「トランプ氏のツイートは市場の大きな動意となった」と述べた。

朝方発表の10月の新築住宅販売戸数が年率換算で前月比6.2%増の68万5000戸と、2007年10月以来、10年ぶりの高水準となったこともドル指数の支援要因となった。

ただドル/円<JPY=>は0.45%下落。今週は28日に上院銀行委員会でパウエル次期FRB議長の承認公聴会が予定されているほか、29日にはイエレン米FRB議長が議会証言を行う。前出のスウィーティング氏は、イベントが目白押しとなっていることで警戒感が出ていることが円の上昇の背景にある可能性があるとしている。

<債券> 不安定な展開となるなか、国債利回りが概ね低下。一時最高値を更新した米株価の勢いが終盤にかけ失速したことや、北朝鮮がミサイル発射準備を進めている可能性があるとの報道が利回りを圧迫した。

アクション・エコノミクスのグローバル債券ディレクター、キム・ルパート氏は「軟調な株価が債券を支えるというお決まりの構図となった」と述べた。

トレーダーによると、北朝鮮が数日中にもミサイルを発射する可能性があると共同通信が報じた。同情報についてロイターは確認を取れていない。

朝方発表された10月の米新築住宅販売が10年ぶりの高水準となったことを受け、FRBが12月に追加利上げに踏み切り、来年にも数回の利上げを実施するとの観測が強まる中、利回りは上昇する場面もあった。

終盤の取引で、10年債利回りは2.333%に小幅低下。2年債利回りも1.744%に低下した。

利上げ観測の高まりを受け、2・10年債利回り格差は一時56.30ベーシスポイント(bp)と、2007年10月以来の低水準となった。その後は58.30bpに押し戻された。

30年債利回りは住宅指標発表後、約2カ月半ぶりの水準に上昇した。その後は2.770%近辺で推移。

10月の新築住宅販売戸数は年率換算で前月比6.2%増の68万5000戸となり、2007年10月以来、10年ぶりの高水準となった。戸数は前月比で3カ月連続のプラスとなった。

米財務省がこの日実施した260億ドルの2年債と340億ドルの5年債入札はともにさえない結果に終わった。

とりわけ、2年債の最高落札利回りは1.765%と、2008年9月以来の高水準となった。

<株式> ほぼ横ばいで取引を終えた。アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>の上昇がエネルギー株の下げを相殺し、取引時間中は主要株価3指数が最高値を更新する場面もあった。

この日発表された経済指標は堅調で、10月の新築住宅販売戸数は予想外に増加し、10年ぶりの高水準となった。

税制改革法案の行方にも関心が集まった。トランプ大統領はこの日、上院財政委員会の共和党メンバーをホワイトハウスに呼び、税制改革法案の可決を求めた。上院での採決は早ければ30日にも行われる見通しだ。

アマゾンは0.8%高。今年の米年末商戦は、前週のブラックフライデー(感謝祭翌日の金曜日)に続き、サイバーマンデー(感謝祭翌週の月曜日)のネット通販の売上高が好調となっている。

一方、エネルギー株は主要セクターの中で最も下げがきつくなった。石油輸出国機構(OPEC)主導の協調減産延長へのロシアの協力を巡り不透明感が漂っていることなどを受け、米原油先物が下落した。

<金先物> 対ユーロでのドル安進行に伴う割安感などを背景に買いが入り、反発した。中心限月12月物の清算値は前週末比7.10ドル(0.55%)高の1オンス=1294. 40ドル。

外国為替市場では、対ユーロでのドル安地合いがこの日も継続。ドル建てで取引される金塊などの商品に割安感が生じたことから、金が買われた。

ただ、翌28日には次期米FRB議長に指名されたパウエル氏による議会証言を控えているほか、トランプ大統領が税制改革法案の議会通過に向けて上院共和党議員らと協議する見通しであるため、議会証言や協議の行方を見極めたいとの思惑も広がり、この日は様子見ムードも強かった。

<米原油先物> 米国内でのシェールオイル増産の動きや、石油輸出国機構(OPEC)主導の協調減産延長をめぐる先行き不透明感などを背景に4営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物の清算値は前週末比0.84ドル(1.42%)安の1バレル=58.11ドル。2月物は0.75ドル安の58.16ドルとなった。

米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが週末に発表した国内の石油掘削リグ稼働数は前週比9基増となった。また、米エネルギー情報局(EIA)のデータでは米国内の産油量が昨年半ばから15%増加して日量966万バレルに達し、主要産油国であるサウジアラビアやロシアの産油量に近づきつつあるとの報も流れた。これを受けて、原油相場は未明から軟調に推移。前週末の清算値が2日連続で約2年5カ月ぶりの高値を更新していた反動からこの日は利益確定の売りも出やすく、午前中には一時57.55ドルまで下落した。

さらに、ロイタ−が関係者の話として伝えたところによると、ロシアのサハリン沖の石油・天然ガス開発事業「サハリン1」の産油量は来年1月から約25%増の日量25─26万バレルになる見通しで、この報道も圧迫材料となったもよう。

30日にはOPEC加盟国が非加盟国を交えて総会を開き、協調減産の延長について議論する予定だが、ロシアの合意が得られるかどうか依然不透明感であることも相場の重しとなった。

*内容を更新します。