ステップ4:「行動」を決める

 それぞれのカルマとダルマに対して、とるべき行動を決定する。ダルマは、はっきりとした具体的な行動として記述する。それは、「やることリスト」のようなものでなければならない

 もし、「上司と顔を合わせるのは同じ部屋に他の人がいるときだけにする」と決めたのなら、それを実現するために必要な手順を正確に書き留める。

 他の人とは誰のことか?それは1人なのか、2人以上なのか?どうやってその人たちに部屋にいてもらうようにするのか?(直接事情を話す?それとも本当の理由は伝えずに別の目的のためだと言う?)

 もしどれだけ考えても、「上司との関係改善のためにとることのできる行動はない」と判断したのなら、「転職する」がダルマになるかもしれない。ここでも、この「転職」というダルマを実行するための方法をできる限り具体的に記述しよう(もちろん、新しい仕事を見つけるのは簡単ではない。本書の第9章では、これについてのヒントも紹介する)。

 一度に複数のダルマを追求することもできる。たとえばあなたが「上司の行動を変える唯一の方法は、上司の上司に相談することだ」という結論を出したとしよう。しかし、それを実現するには時間がかかるかもしれない。まずは上司の上司との距離を詰め、上司の問題について相談できるだけの信頼関係をつくらなければならい。そのためには少なくとも1年はかかるだろう。ならば、同時に「別の仕事を探す」というダルマも追求しよう。どちらに転ぶかはわからないが、うまくいったほうに進めばいい。

 すべてのステップのなかで、もっとも難しいのがこのステップだ。

 問題は解決したいものの、どんな行動をとればいいかがわからないことがある。そんなときは、第7感の力を思い出そう(脳の力「第7感」については本書を参照)。部分的なものでもかまわないので、同様の問題を解決した先例を探すのだ。日常的に見聞きするもののなかに先例がないか、アンテナを張り続けよう。

 インターネットによって、先例を探すのは以前とは比較にならないほど簡単になった。ソーシャルメディアのおかげでデリケートな問題を匿名で議論しやすくなったことも、検索を簡単にしてくれている。ただし、安易に他人にアドバイスを求めないようにしよう。返ってくるのは、直感的な思いつきのアドバイスがほとんどだ。しかし本当に必要なのは、新しいアイデアの材料となる、リアルな成功例だ。