[ダブリン 27日 ロイター] - アイルランドで、与党に閣外協力する第2党が不信任案を突き付けたフィッツジェラルド副首相が辞任を拒否し、前倒し総選挙が来月にも実施される可能性が高まっている。

少数与党の統一アイルランド党に閣外協力する共和党は27日夜、警察の内部告発者を巡る副首相の対応が不適切だったと主張。副首相が辞任しない場合、28日の2000GMT(日本時間29日午前5時)までに不信任決議の動議を提出すると明らかにした。

幹部のジム・オカラガン氏は公共放送RTEに対し「副首相は、自分が辞任しない限り、誰も望まず誰も必要とせず、国のためにもならない選挙を実施せざるを得なくなると認識するだろう」と発言。「このほかに方法があるとは思えない」と述べた。

アイルランドは、英国の欧州連合(EU)離脱交渉で重要な役割を担っている。交渉ではアイルランドと英領北アイルランドとの国境管理が3つの懸案事項の1つとなっており、12月14―15日のEU首脳会議でバラッカー首相はこの問題で十分な進展があったかどうかなどを協議することになっている。アイルランドの政局が混乱すれば、交渉が複雑化する可能性がある。

一方バラッカー首相は、不信任案が撤回されない場合、クリスマス前に総選挙を行わざるを得ないと主張した。

一時は両党の幹部らが歩み寄る姿勢をみせたものの、副首相に関する新たな文書が公表されたことで事態は急変した。

副首相は、内部告発者を貶める企てについて詳述した電子メールを2015年5月に受け取ったことについて前週、覚えていないと言明していた。これに対し、27日に公表された文書では、副首相が15年7月、この策略について書いた2通のメールを追加で受け取ったことが判明した。だが副首相は、継続中の裁判の結論は来年1月まで出ないとして、全政党からの辞任要求を拒否した。

首相は総選挙を避けるため、共和党のマーティン党首と28日朝に会談する予定。首相の報道官は、政府は副首相を支持していると表明した。