[ニューヨーク 24日 ロイター] - 米国の株式相場が最高値に上昇し、1日の株価変動が数十年ぶりの低さとなる中、投資家の間には市場の警戒心のなさに懸念を示す向きもいる。ただ、米株オプション市場のデータは、投資家が自己満足からは程遠い状態にあることを示唆している。

S&P総合500種<.SPX>やシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)<.VIX>のオプションの持ち高をみると、投資家が最近数カ月間にヘッジを徐々に増やしていることが読み取れる。

MKMパートナーズ(ニューヨーク)のデリバティブ・ストラテジスト、ジム・ストラガー氏は「ヘッジはわれわれの机の上になかったし、誰もあまり注意を払っていないようだ。だが、どういうわけかヘッジは発生している」と指摘。「ステルス・ヘッジ(水面下でのヘッジ)のようなものだ」と述べた。

S&P500は年初から16%上昇し、月間では8カ月連続で上昇する見込み。これは、2007―09年の金融危機直前以来、最も長期となる。

短期的なボラティリティーの見通しを示すVIX指数は今月上旬、過去最低水準で引けた。

一部の投資家は、株式相場の継続的な安定推移から恩恵を受ける戦略への依存が強まったことや、相場が上昇する一方でヘッジが無駄になったことに対する不満が数カ月続いたことで、相場は急激な変動に対し極めてぜい弱になったと警告する。

最近ニューヨークで開催された「ロイター・グローバル・インベストメント・2018・アウトルック・サミット」の出席者は、好調期における現状への満足は、投資家の懸念リストの筆頭に来るだろうとみている。

ただ、オプション市場をみると、投資家が株式の売りに対し、低水準となっているVIX指数が示唆するほどぜい弱ではないとアナリストは分析する。

例を挙げれば、S&P500指数のオプションではコール(買う権利)1枚に対しプット(売る権利)は2.1枚となり、トレードアラートによると過去5年間で最もディフェンシブな水準に近いという。

VIX指数のオプションは同様に、「アウト・オブ・ザ・マネー(損失が出る状態)」になっているコールオプションの持ち高が増加していることも示している。

スワン・グローバル・インベストメンツのポートフォリオ戦略ディレクター、Aashish Vyas氏は「VIX指数のコールでアウト・オブ・ザ・マネーの建玉が非常に多い場合、私は相場が積極的にヘッジされていると考えることが多い」と説明。「私にとっては、VIX指数そのものの水準よりも重要だ」と述べた。

(Saqib Iqbal Ahmed記者)