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 トランプ米国大統領のアジア歴訪のハイライトは中国の習近平国家主席との首脳会談のはずだったが、驚くべき内容はなかった。トランプ大統領は習主席の手厚い「接待攻勢」に懐柔された格好で、北朝鮮問題や南シナ海問題の議論は後ろに置かれた。中国が構想する世界戦略をもとに、周到な準備と手が打たれていたからだ。

 長期政権の基盤を固めた習近平主席の「次の一手」は二つのことが基本にある。

韓国の抱き込みに成功
周辺国家を「管理」し秩序維持

 当初、トランプ大統領は、北朝鮮に対する完全な包囲網を構築しようと中国に対してはセカンダリーボイコット(北朝鮮と取引のある中国企業を制裁)のカードを用意し、同時に3隻の原子力空母を中心にした空母打撃群を朝鮮半島近海に展開し、中国側に圧力をかけるつもりだった。

 ところが、習主席は総額28兆円に上る手土産(米企業との商談)を用意して米国がセカンダリーボイコットをできない空気を作ってしまった。

 さらに軍事面では事前に韓国の文在寅政権を抱き込み、韓国と連携して「対話による問題解決」を唱える戦術を駆使、米国の圧力を跳ね返した。

 中国自身は北朝鮮問題をどう考えているのか。