ヨコハマメーカーズヴィレッジ(YMV)は、横浜市にある金属加工の中小企業10社とデザイン会社1社によるグループだ。今、彼らが世界から注目を浴び始めている

金属加工の若手経営者が
横浜でグループを結成した理由

 今回の奮闘記は、横浜市にある金属加工の中小企業10社とデザイン会社1社が集まって結成したグループ、ヨコハマメーカーズヴィレッジ(以下、YMV)の取り組みについてご紹介する。

 若手経営者たちが、脱「下請け体質」を目指して結束し、世界最大のデザイン見本市「ミラノサローネ」に出展、そのデザインと加工力・製造力が高い評価を得た。その経緯は、自社製品を持たない全国の中小企業にとっていいモデルになるはずだ。

 YMV代表で、プレス金型製作や板金加工を行うニットー社長の藤澤秀行(44歳)は、こう語る。

「下請け仕事自体は今後も続けていくつもりですが、親会社から言われるままに働く『下請け体質』は打破し、自ら情報発信をしていかないと今後、成長どころか生き残ることはできません。それはメンバー各社に共通しており、みんなで新しいことに本気で取り組めば、きっと本業に活かせるはずだと考えました」

 もともと横浜市工業会連合会の傘下にある横浜青年経営者会に属し、勉強会などを開いていた若手経営者たちは、藤澤の語る問題意識を皆持っていた。そこで、賛同した仲間14社にデザイナーを加え、2014年のテクニカルショウヨコハマに椅子、照明、雑貨などをつくって出展した。それが、YMVの始まりである。

 活動を継続的に続けようと、改めて会員に呼びかけ、2015年8月に7社でYMVを再結成した。本腰を入れるために、活動の意義を見直し、マニフェスト10ヵ条をつくった。それは、「横浜のものづくりを世界に発信する」「次世代にものづくりの楽しさを伝える」「中小製造業の可能性を示す」「金属のみを使う」「利益を生み出す」などであった。

 世界に向けて発信すると決めたことによって、まず目標は2017年4月にイタリア・ミラノで開かれるミラノサローネに出展することになった。ミラノサローネは家具やインテリア小物の総合見本市で、6日間に30万人以上が訪れる大規模なもの。デザイナーの登竜門的な役割も果たしている。