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薬王堂
復興需要取り込み成長へ

大陸挑戦が加速するドラッグストア各社
海外市場が新たな競争のステージに

ドラッグストアニュース
【第35回】 2011年12月2日
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 3月11日の東日本大震災によって大きな被害を負った薬王堂(岩手県矢巾町、西郷辰弘社長)が、復興から再成長へ向けて大きく前進している。

 震災の発生から、ちょうど7カ月が経過した10月11日に発表された、同社2012年2月期中間期(上期)の決算数値では、売上高231億8100万円(前期比108.7%)、営業利益13億3800万円(同255.2%)、経常利益14億300万円(同242.9%)となり、岩手県および宮城県沿岸部を中心に甚大な被害を負い、その後も被災地への十分な流通が確保できないなかで、盛り上がる震災後の復興需要を取り込んで、5月10日に発表した当初計画を、大幅に上回る増益を記録した。

 上期においては、新規でDgS2店舗、調剤専門薬局1店舗を出店した。当期がスタートして間もなく東日本大震災が発生。当日の3月11日においては、DgS130店舗中11店舗が津波などの被害を受け、営業休止に追い込まれた。しかし、当日11日中には98店舗が、翌12日には110店舗が日没営業を開始した。「震災によって、それまでの店舗への流通経路が遮断され、商品配荷機能が失われたが、わずかに残る商品を小型自動車などに商品を詰め込み、被災地で営業する店舗へ輸送した」(西郷辰弘社長)という。また、「被災地の商品需要は刻々と変化し、十分な商品供給ができないなか、取引先の協力を得ながら対応してきた」(同)。

 そのほか、上期中には、被災店舗を含め17店舗の改装を実施。津波で町そのものが大きな被害を受けた陸前高田市、山田町、大槌町、南三陸町には、売場面積15坪から25坪の仮設店舗、計4店舗を設置した。

 震災の影響は、直後の食品需要に加え、その後の生活用品を中心とした需要の旺盛さから、HC(ホームセンター)やDgSへの業績を後押しすることにもつながった。薬王堂では、とくに粗利益での改善、全体の売上高総利益の大幅な押し上げ効果をもたらした。売上総利益高は前期比109.1%、当初計画比111.6%の55億2200万円となったほか、売上総利益率も23.8%と前期比0.1ポイントの改善となっている。震災に伴うチラシの配布回数減少に加え、旺盛な需要を受けて特売比率が前期の10.5%から、今期6.9%に減少した。また、売価変更率は前期9.7%から今期8.8%に縮小し、売価変更による値下げロスも減少した。

 商品別では、仮設住宅などでの生活用品需要が拡大し、台所関連、調理関連、収納関連の商品が拡大したほか、前期は非常に少なかった花粉症関連が、3月は前期比153%、4月は同224%などと大幅に増加。関連商品の販売を押し上げた。

 上期における特別損失は、資産除去債務会計基準の適用を受け、1億1000万円を計上したほか、東日本大震災関連では、固定資産損失5億1900万円、棚卸資産損失1億7400万円、その他の修繕費用に1億3500万円など、特別損失は、計9億4500万円に上った。

 客数・客単価の状況は、3月から7月にかけ各数値とも大幅に増加し、上期既存店売上高は116.4%となった。8月については106.7%で前年の猛暑を受け高いハードルとなったが、前年を上回った。

 下期では岩手、宮城の両県に計5店舗を出店するほか、現在休止店舗のうち3店舗の営業再開を予定し、純増8店舗となる見込みだ。2012年2月期通期では、売上高440億円(前期比104.4%)、営業利益16億6900万円(同162.3%)、経常利益17億8100万円(157.4%)、通期既存店前年比は110.9%を見込む。

 震災の大きな影響を受けながらも、復興から成長への軌道を描きつつある薬王堂。高齢化とともに人口減少が急激に進む東北エリアにおいて、商圏人口7000人で成立する店舗網の確立を急いでいる。宮城、岩手を中心に小商圏を見据えた、低コスト運営店舗の展開を軌道に乗せ、今後5年間で200店舗態勢をめざす。


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