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カイゼン!思考力

それは確かに事実かもしれないけど…
――「事実=認識」の錯誤

嶋田 毅 [グロービス 出版局長兼編集長、GLOBIS.JP編集顧問]
【第75回】 2011年12月2日
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陥りがちな思考の罠に迫る「カイゼン!思考力」。今回は、「『事実=認識』の錯誤」を取り上げる。

――問題です

 以下のAさんの問題は何か。

 Aさんはある企業の管理職。部下のBさんとちょっとしたことで口論になった。

A「Bさん、この件についてはこの前メールで伝えたはずだけど、どうして出来ていないの? メールだけじゃなくて口頭でも1回言ったはずよ」

B「そう言われましても…。そんなメールを読んだ記憶も、お話をうかがった記憶もありませんけど」

A「いえ、ちゃんと伝えたわ。さすがにボイスレコーダーでは録っていないけど、出したメールは探せば見つかるはずだから、ちょっと待ってて。今探すわ」

B「記憶にないですけどねえ」

A「ほらあった。私のPCを見て。先週の月曜に○○チームのメンバーに出したメールの最後の方に、Bさんをちゃんと指名して、今回の件よろしく処理しておいて、と書いてあるわ」

B「えー。そんな長いメールの後ろに書かれても見落としちゃいますよ」

A「だから口頭でも繰り返して伝えたんじゃない」

B「ですから、それは記憶にないんです。本当に。先週は忙しくてドタバタしていたから注意が散漫になっていた可能性はありますけど…。その時、私は『わかりました』とかって返事しましたか?」

A「そこまでは記憶にないけど、私が伝えたのは確かだってことは自信を持って言えるわ。メールだって、実際にあったじゃない。伝えたという事実は動かないわ。あなたも新人というわけではないんだから、もっと注意してね」

B「…」

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嶋田 毅 [グロービス 出版局長兼編集長、GLOBIS.JP編集顧問]

東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社、主に出版、カリキュラム設計、コンテンツ開発、ライセンシングなどを担当する。現在は出版、情報発信を担当。累計120万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」や、「グロービスの実感するMBAシリーズ」のプロデューサーも務める。
グロービス経営大学院や企業研修においてビジネスプラン、事業創造、管理会計、定量分析、経営戦略、マーケティングなどの講師も務める。また、オンライン経営情報誌 GLOBIS.JPなどで、さまざまな情報発信活動を行っている。


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ビジネスパーソンが日常生活やビジネスの現場で陥りがちな思考の罠。そんな罠になぜ人ははまってしまうのか――。その謎と罠に陥らない方法に迫ります。

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