灘・伏見の清酒大手メーカー9社も、2010年は輸出、現地生産ともに伸びを見せた。輸出量は4万2670石(1石=0.1839キロリットル)と前年比12%増。輸出は9社中8社が、現地生産は4社中3社が前年比プラスとなった。輸出と現地生産の合計数量は1位「松竹梅」、2位「月桂冠」、3位「大関」となっている(「日本経済新聞」2011年2月11日)。

 清酒・焼酎などの動向に詳しいコンサルタントは次のように語る。

「頭打ちになる国内市場では、大手メーカーですらピーク時と比べて3分の1近くにまで売上が落ちた企業もある。地ビールや食品、化粧品の生産・販売に活路を見い出す企業さえある。今後は間違いなく海外依存度が高まるだろう」

 その動きは中国でもすでに始まっている。中国一番乗りの宝酒造は、95年から北京で事業展開を始めた。清酒「松竹梅」はじめ、焼酎の「よかいち」や缶チューハイ「takara canchuhai」は、今では、在住の日本人家庭のみならず、現地飲食店などにも大きく普及するようになった。また、月桂冠は日本からの輸入に加え、現地酒造会社での委託製造による製品の供給も開始、2011年7月1日には酒類等の販売会社「月桂冠(上海)商貿有限公司」を設立、8月に発売にこぎつけている。

「これで京都の酒造メーカー1位、2位が出揃ったことになる。果たして3位の黄桜は」と期待を覗かせる日本酒ファンもいる。

 他方、大関は03年に、提携先企業の瀋陽大旺食品有限公司(台湾の旺旺集団の子会社)に大関ブランドを製造させていたが、今年3月にその契約を打ち切った。ちなみに、今年6月期決算では、大関の海外生産は2万4000石に伸びたが、そのすべてがアメリカである。

本腰の入った酒造会社だけが出展
放射能風評被害の懸念もひとまず払拭

 さて、上述した上海の見本市だが、“逆境の中での出展”をとあり、かなり本腰の入った、積極的な日本酒メーカーに絞り込まれていた。