[東京 30日 ロイター] - アジア開発銀行(ADB)の中尾武彦総裁は30日、都内でロイターのインタビューに応じ、米国の利上げが「大きくアジア経済に悪影響をもたらすとは思わない」と語った。中国経済を巡っては、労働人口の減少などリスクを挙げる一方、消費が底堅いことを考慮すれば「急速に減速が起こることはないだろう」との見通を示した。

中尾総裁はインタビューで、米国の利上げに関して「一般的に言うと懸念がないわけではない」と前置きした上で、利上げの動きは「米国経済や金融システムの強さの表れ」と指摘。

アジア各国のマクロ経済政策が堅実なことや、「チェンマイ・イニシアチブ」など危機時の安全網が整っていることにも触れ、米利上げがアジア経済に与える影響は小さいと分析した。

中国経済については「全体として労働人口が減り始めているし、内陸部から沿岸部への移動もかなり限界に近づいている。(今後は)今のような成長にはならないだろう」としつつ、「投資から消費への移行は思った以上に進んでいる」と述べ、同国経済の急減速シナリオを否定した。

一方、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)とは、ガバナンスを注視しながら協調する考えを示した。理事会を非常駐とするAIIBの運営方針は「コストを節約するためのひとつの考え方」と一定の理解を示したが、「さまざまな意見を調整して合意形成を図る上で、(常駐の)理事会には大きなメリットがある」と語った。

(梅川崇、梶本哲史 編集:田巻一彦)