[ワシントン 30日 ロイター] - 米上院は30日、共和党の税制改革法案の採決を見送った。財政規律を特に重んじる一部共和党議員が、税制改革により連邦政府の財政赤字が大幅に拡大するとの懸念を示し、修正条項の追加を求めており、上院共和党内の調整が難航している。

上院本会議では30日遅くまで税制改革法案の審議が続いたが、採決は1日に見送られた。現時点で可決に必要な票が集まっているかどうかは不明。

上院共和党のボブ・コーカー議員など複数議員は、財政赤字を穴埋めするほど減税による景気押し上げ効果がない場合、自動的に税金を引き上げる条項を法案に盛り込むことを求めていたが、手続き上の理由により却下された。

上院財政委員会のオリン・ハッチ委員長は記者団に対して、コーカー氏など数名の緊縮財政派議員との調整が難航していると明らかにした。

30日のニューヨーク株式市場は、税制改革法案可決への期待が高まり、S&P総合500種とダウ工業株30種は終値ベースでの最高値を更新した。ダウは初めて2万4000ドルの水準を突破した。共和党の重鎮であるジョン・マケイン上院議員がこの日、上院の税制改革法案に対する支持を表明。マケイン氏の賛成で、税制改革法案が可決に向け大きく前進したとの見方が広がった。

一方、両院合同租税委員会(JCT)は、上院の委員会で承認された法案では、経済成長の加速による税収の増加分は4070億ドルにとどまるとの試算を公表。JCTは以前、税制改革法案により10年間で財政赤字が1兆4000億ドル拡大すると試算していたが、新たな試算では、「力強い」経済効果により財政赤字の拡大は1兆ドルにとどまるとの見方を示した。

一部共和党議員は、税制改革による景気押し上げ効果で見込まれる税収拡大が財政赤字を穴埋めすると主張しているが、JCTの新たな試算ではその実現が難しいことが示された。

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