そして、問題になった「A/埼玉/103/2014(CEXP002)株」は、この「卵馴化による抗原変異」が起こりにくい株ということで選ばれていた。研究者たちがたどり着いた、「今年のイチオシ」だったわけだ。

「増殖効率の悪さ」までは予測できなかったのは残念だが、卵馴化による抗原変異の問題は、ワクチンを製造している世界中の国々に共通の課題となっており、目下、日本では「細胞培養ワクチン」の研究が進んでおり、今後が期待されている。

 肝心な「流行予測の精度」の方は増しているらしい。細胞培養ワクチンが実用化されれば、ワクチンの効果はぐっと高まり、不足することもなくなるはずだ。

ワクチンが不足していても
予防接種は受けるべきか

 さて、「足りない」と言われると、「受けておいた方がいいかな」と、普段はおっとり構えている人まで慌てて接種に走るのも人情だろう。

「インフルエンザの予防接種を予約しようとしたら断られた」というニュースも報道され、ちょっとした騒ぎになった。

 予防接種はなんとしても受けておいた方がいいものなのか。接種以外に有効な予防法はないのか、等々、感染症に詳しい国際感染症センターの忽那賢志医師に、今シーズンのインフルエンザ対策について話を聞いてみた。

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――ワクチンが不足していますが、予防接種は多少の無理をしても受けるべきでしょうか。

 そうですね、インフルエンザにかかった場合に重症化しやすい人は、やはり受けておいた方がよいと思います。高齢者や妊婦さん、ステロイドを内服している人などは、シーズン前の予防接種が重要とされています。