専務、常務役員人事では、トヨタグループの連携強化を進める一方で、グループ外からの人材登用も進めることで、従来の慣例的な人事異動を打破しようとする狙いが見てとれる。

 専務役員ではアイシン精機傘下のブレーキ大手、アドヴィックスの小木曽聡社長が2年半ぶりにトヨタに復帰。常務役員では三井住友銀行の福留朗裕常務執行役員を迎え入れ、トヨタフィナンシャルサービスの社長に就任させる。

 また、豊田通商の今井斗志光執行役員も常務役員に就き、アフリカ本部長として指揮を執ることが決まった。

 今回の役員級人事が映し出すのは、「電動化」「自動化」「コネクティッド」をキーワードに、自動車業界が異業種を巻き込んで突き進む大競争時代に対するトヨタの“焦り”にも似た危機感だ。

 人事異動は1年に1回という悠長なことを言っていては、勝ち負けどころか即死する。まさに「待ったなしの状況」がトヨタの背中を押す。

トヨタに迫る危機感
EVシフトや異業種との連携にも対応

 トヨタに迫る危機感は各事業領域の現状からも推察できる。

 例えば、出遅れ感が指摘されるEV(電気自動車)シフト。

 筆者はHV(ハイブリッド車)を生み出したトヨタが技術的に遅れているとは思わない。ただ、フォルクスワーゲン(VW)を始めとする欧米メーカーは数値目標を明確に示し、それを大々的に報道するメディアの力と相まって、トヨタの情報量が相対的に少なくなった結果、トヨタは出遅れているとの印象を与えてしまった側面があるとも感じている。