それゆえ、11月27日に報道陣を対象に電動化技術に関する説明会を開いたのは、この出遅れ印象を払拭するためと見ることもできる。

 説明会ではパワートレーンカンパニーの安部静生常務理事が「電動化のコア技術はモーター、電池、PCU(パワーコントロールユニット)。この技術があればさまざまな電動車両を開発することができる」と説明。その上で「今後の電動化でも優位性を保てる」と強調したのは象徴的だった。

 トヨタが電動化に対して手をこまねいているわけではない。

 リチウムイオン電池よりもエネルギー密度が高い全固体電池の開発も進めており、東京モーターショーでは2020年代前半に同電池を搭載するEVを発売すると公表している。

 マツダとデンソーとはEV開発を進める新会社を設立し、スズキとはインド市場におけるEV投入について協力関係を構築する覚書を締結。VWが2025年までに世界販売の4分の1にあたる約300万台をEVにすると発表したほどの数的インパクトはないが、着々と、そして確実に車両電動化を進めている。

 ちなみに副社長で先進技術開発カンパニーのプレジデントを担う寺師氏は、トヨタ、マツダ、デンソーが設立した新会社「EVシー・エー・スピリット」の社長職を務める。

 自動運転技術やコネクティッド領域では異業種連携を加速させている。

 半導体大手のエヌビディアやルネサスエレクトロニクス、ライドシェア大手のウーバーテクノロジーズ、配車アプリ大手のグラブなどとタッグを組むのは、異業種の参入という脅威にさらされ「海図なき戦いが始まっている」(豊田章男社長)からに他ならない。