フランスでベストセラー!仏メディアで話題!
世界22ヵ国で翻訳された、猫に教わる人生指南書の日本語版『猫はためらわずにノンと言う』がこのたび遂に刊行された。
猫を飼っている人、猫好きな人だけでなく、猫のように、そこにいるだけで自然と一目置かれる存在になりたい人にも必見の一冊から、一部抜粋して紹介する。
ただ可愛いだけじゃない、猫の意外な一面が理解できる!

著者のステファン・ガルニエ氏と、愛猫のジギー。ジギーとの暮らしの中で日々得られた気づきをまとめた本書がフランスでベストセラーとなり、数々のメディアで紹介されている。写真提供:ステファン・ガルニエ

人生の極意は、猫を飼うとよくわかる

 たまには仕事に行きたくない日がある。
 世界で起きている災害のニュースや、地球の未来の心配をしたくない日もある。
 最近の政治改革がいかになっていないとしても、それについての意見も言いたくないし、自分の「今後のキャリア」だとか「年金の受給時期」だとか、考えたくもないことだってある。
 プライベートな問題というのは往々にして、自分自身ではなく周囲にいる人間が問題であることが多い。
 そんなことにいつも頭を悩ませるのにもうんざりだし、入浴剤が環境破壊につながるとか、食事のとり方が健康によくないとかいって自責の念にかられるのもたいがいにしたい。
 そんな時には浮世の憂さをシャットダウンして、ほんの一日、ほんの少しの間だけでもゆっくりしたいと思うものだ……大きく深呼吸してみよう。
 
 私は音もなく書斎に入ってきた飼い猫ジギーのほうを振り返る。

 目を細めて私を見ると、机の上に飛び乗ってキーボードの上に横たわるジギー。
 もう何年もこんな感じだ。
 私がまだ紙に原稿を書いていた頃、ジギーはペンのキャップを噛み続けていたものだ。まるで私が書くことを喜んでいる半面、極力書かせまいと邪魔しているようだった。
 そんな私たち二人だけの遊びに、私はいつも声を立てて笑ってしまうのだった。ソフトな猫パンチを繰り出して私のひざとキーボードの間を行ったり来たりするジギーに感じるのは、愛情のこもった温かさと無邪気さだけだ。
 しかし、ひょっとしたらジギーは、こんなことを私に言いたかったのかもしれない。「ねえ、今日はもうアクセルを踏むのをやめて、ゆっくりしたらどう?」
 アクセルを踏まない……猫が私の首に鼻をすりつけている今この瞬間、請求書の期限までに支払いができるか、次に株が暴落するのはいつなのか、なんていう問題は考えたくもない。猫だってそんな悩み事はどうでもいいはずだ。
 ジギーが長い間私に伝えたかった生き方の極意とは、たぶんこういうことだろう。
「一休みして、もっと大事なこと、猫のように自分が心地いいと思えることだけに集中すればいい……猫のように生きてみたら?」
 確かに猫は、人間よりよっぽど質のいい暮らしをしている。
 猫が毎日をどう過ごしているかを観察し、何を思い、何を欲して生きているのかを考えてお手本にしたらいいかもしれない。
 ずっと気づかなかったけれど、人生のヒントは目の前にいるジギーの行動に隠されていたというわけだ。
 私たちには公私を問わず、猫から学べることがいろいろある。