[ニューヨーク 1日 ロイター] - トランプ米大統領が提唱する税制改革の実現可能性が高まる中、企業の利益が押し上げられることへの期待が強まっており、米国株式市場全体が盛り上がっている。

UBSのストラテジストは、法人税率が25%に下がればS&P総合500種<.SPX>企業全体の利益は6.5%、税率20%なら9.5%押し上げられるとみている。

ただ、銘柄によって受ける恩恵に差があるとみられている。

アムンディ・パイオニア・アセット・マネジメント(ボストン)のポートフォリオマネジャー、ジョン・ケアリー氏は「フルの税率に近い税金を支払い、主に国内事業を手掛ける企業に有利となりそうだ」と語る。

投資家は既にこうした「税金敏感」分野の一部に資金を振り向けたもようだ。一部の市場ウォッチャーは同じセクターでも企業によって実効税率が大きく異なるとして、どの業界が勝ち組とは一概には言えないとしている。

とはいえ、ストラテジストは法人税減税を中心に恩恵を受けるとみられる企業が集中する業界を挙げている。

<銀行>

ウェルズ・ファーゴの分析によると、S&P総合500種の主要セクターのうち、金融が最も高い実効税率(27.5%)となっている。

キーフ・ブルエット・アンド・ウッズの株式調査部門マネジングディレクターを務めるブライアン・クロック氏は、減税で銀行利益の中央値(メディアン)は2018年に16%、19年に18%、それぞれ押し上げられると予想。「銀行は株主還元を実施するだろう」と述べた。

大手地銀の中では、ザイオンズ・バンコープ<ZION.O>、M&Tバンク・コープ<MTB.N>、コメリカ<CMA.N>が最も大きな恩恵を受けそうだという。

<輸送>

UBSによると、法人税減税で利益の大幅増が見込まれる主要業界の中に輸送がある。

モーニングスターのアナリスト、キース・スクーンメーカー氏によると、ユニオン・パシフィック・コープ<UNP.N>やCSXコープ<CSX.O>といった鉄道会社は法定税率がほぼそのまま適用されている。資本支出の経費を徐々にではなく1年間で計上することを認める条項により課税所得を減らすことができそうだという。

複数のアナリストは航空会社が減税の恩恵を受けると指摘。UBSによると、アラスカ航空グループ<ALK.N>とサウスウェスト航空<LUV.N>が勝ち組となる可能性がある。

<ヘルスケアサービス>

米国内で事業を展開するヘルスケアサービス企業は、海外で製品を販売する製薬企業や医療機器会社よりも減税の恩恵を受けそうだ。

バーンスタインのアナリストは最近のノートで「ヘルスケアサービスは最も税負担の重い業界の1つであり、法人税減税で大きな恩恵を受けるだろう」と指摘した。

アンセム<ANTM.N>といった医療保険企業、アメリソースバーゲン<ABC.N>といった医薬品卸売企業、HCAヘルスケア<HCA.N>といった病院経営会社が含まれるS&P500ヘルスケアプロバイダー・サービス株指数<.SPLRCHCPS>は今週(1日までの週)に5.4%上昇した。

ジェフリーズのアナリストによると、その他に大きな恩恵を受ける可能性があるとみられる企業には、オールモスト・ファミリー<AFAM.O>、クエスト・ダイアグノスティクス<DGX.N>、エクスプレス・スクリプツ・ホールディング<ESRX.O>が含まれている。

<小売り>

モーニングスターのシニア株式アナリスト、ブリジッド・ウェイシャー氏によると、小売業界で最も恩恵を受けるとみられるのは国内事業の比重が大きい百貨店だ。勝ち組に入る可能性がある銘柄としてメーシーズ<M.N>、ノードストローム<JWN.N>、コールズ<KSS.N>を挙げた。

また、「ヴィクトリアズ・シークレット」のオーナーであるLブランズ<LB.N>、アパレル小売大手ロス・ストアーズ<ROST.O>も有望だという。

<通信>

AT&T<T.N>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ.N>を含む通信会社も恩恵を受ける見通し。

バークレイズの通信株担当アナリスト、Amir Rozwadowski氏は「これらは国内に重点を置く企業であり、税制改革で恩恵を受けるとみられる」と語った。

今週(1日までの週)にAT&Tは4.9%、ベライゾンは9%、それぞれ値を上げた。