その大爆発はあまりに強烈で、数千光年内の星々の生命を滅ぼすほど。しかし同時に、この超新星爆発こそが宇宙中にこれら重い元素たちをばら撒いてもくれるのです。

 そこからまた星が生まれ、惑星が生まれ、生命が生まれます。

でも宇宙には金やウラニウムが多すぎる!

 しかしこの太陽系に存在する元素の量を調べてみると、この説明(超新星爆発による重元素生成)とは合いませんでした。実際には金やプラチナ、レアアース(*7)、そしてウラニウムU(92)などが多すぎたのです。これは最近の謎のひとつでしたが、その理由が明らかになってきました。

 そういった重い元素を効率よく生み出す仕組みが「中性子星の衝突合体」でした。超新星爆発の後に残る超高密度な天体が中性子星(やブラックホール)です。それが2つ、衝突合体を起こすときにこういった重い元素を多く生み出していたのです。

 2017年8月、世界の天文学者たちが色めき立ちました。重力波検出装置(*8)が特殊な重力波を検出したのです(第175講「ノーベル賞の3割は発見でなく「新測定法」の開発に贈られる」参照)。

 それまでの4例(*10)と異なり、今回は中性子星が2つ合体したときのものでした。世界中の主要な天体望遠鏡がその星に向けられ、多くの情報が得られました。

 そこでは確かに重元素を生み出す仕組み(*9)が機能していました。

 われらが太陽は第三世代。ゆえに私たちを造り上げる元素のひとつひとつは、おそらく2度、星の最期(スーパーノヴァ)を経験してきた強者(つわもの)たちといえるでしょう。

*7 例えばジスプロシウムDy(66)。銀白色の金属でネオジム磁石の添加剤などに使われる。
*8 米国のAdvanced LIGOと欧州のAdvanced Virgoが同時に観測した。
*9 すべてブラックホール同士の合体によるもの。
*10 rプロセスと呼ばれる。rはrapidのr。通常の核融合反応がsプロセスで、sはslowから来る。