[トロント 4日 ロイター] - グーグルのジェフリー・ヒントン<GOOGL.O>副社長は4日、人工知能(AI)の進化で金融サービスやヘルスケア、運輸などの業界を管轄する当局にとっては、これらの業界規制が新たな試練となるだろう、との見方を示した。トロントで開かれたイベント「ロイター・ニュースメーカー」で語った。

ヒントン氏は、AIが人間の脳を模倣して音や言語、画像を組み合わせて判断し、自ら学習するディープラーニング(深層学習)分野の研究の第一人者。基礎となるプログラム「ニューラルネットワーク」の研究に取り組んでいる。ニューラルネットワークは膨大なデータを読み込み自ら学習することで、車の運転や金融取引の予測分析、病気判断のための画像処理といった人間の脳と同様の働きができるが、ヒントン氏によると、このネットワーク自体が複雑な仕組みで動いており、開発者ですら把握して規制当局者に説明するのは不可能だという。

ヒントン氏は「膨大なデータと情報を集めてから、初めてニューラルネットワークに何を指示すれば良いか見えるようになる」と述べた。

ただ、ディープラーニングは一部の病気の治療法については既に変化を生み出しつつある。ヒントン氏は、ニューロンネットワークは何百万もの症例を学んでおり、医師よりも正確な症状を把握できるようになると指摘した。モバイル機器で皮膚の損傷状態を把握し、医師に詳しい生体検査を行うタイミングを患者にアドバイスするようなアプリの開発を期待しているといい、「より良い薬を開発したい」と述べた。