経営×経理

 経営陣もスタンスを顧みる必要があります。経営会議の場が単なる報告会になっていたり、あなたの質問が特定の部門のプロジェクトに偏っていたりしませんか? もしも思い当たるところがあれば、参加している社員は、体裁のいい報告を集めているだけで、あなたの質問の傾向にも気づいていることでしょう。そうなると、他方面で課題・問題点が潜在していても浮き彫りにならず、いつの間にか収益・利益減といった経営難になる危険もあります。

 貴重な時間を割いて開かれる会議の場です。「人の活動」をテーマとした内容に切り替え、質問する際は、経理部も含めた全参加者に対し、社員のどのような活動に起因して顧客の動向に変化が起こり、どの分野の収益・費用が増減したのか、そして次の目標が何で、見込まれる成果がどれくらいなのか、といった具体的で踏み込んだプレゼンテーションを求めてみましょう。

 そして、こうした会議に参加した経理部の上層部は、現場に議事録を持ち帰って部内に情報を共有しましょう。そうすることで、経理スタッフは伝票類・データをどのような角度で分析してプレゼンすれば、各部署に役立つ仕事になり得るか、模索して実行に移すでしょう。

 最先端のツールの導入ばかりに頼ることなく、「経理スタッフ×上司×経営陣」の「人」で構成されたトライアングルにより、経営改善は一歩ずつ進んでいくのではないでしょうか。三者の立場は異なりますが、収益・利益アップについては、共通目標です。経営陣が最良な判断で意思決定するために、スタッフは人の活動が示されたデータに触れている立場だからこそできる仕事に邁進する。そして、上司側はパイプ役となって、時には経営陣に対し意見して、スタッフを尊重しながら指導する。このように三者それぞれの役割を全うすることで、トライアングルが良き音色を奏で、未来にも響き続けていくのです。

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大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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