組織にあふれる理不尽を
客観視する目を持とう

 給料は他の社員と同じなのに、仕事量が多く重い責任を負わされたり、処理能力が高いゆえ、定時までに仕事を捌けてしまって残業代を稼げないなど、世の中は真面目に働いた分だけ損をしてしまう仕組みで溢れている。

 さらに、組織に働く不思議な“力学”もある。「働きアリの法則」(2:6:2の法則)でいえば、100匹中20匹がよく働き、60匹が普通に働き、残りの20匹は全く働かない。そして、よく働くアリと普通に働くアリを100匹集めてきても、結局は新たに全く働かないアリが20匹できてしまう、というのが世の常なのだ。

 ならば最初から自分が下位2割に陣取り、タダ乗りに徹するのも一つの手ではないだろうか。仕事の位置づけを一貫して「自分が楽して稼ぐ」ことにすれば、最低限の仕事だけをこなす指示待ち人間のスタンスは、なかなか合理的な行動原理ともいえる。

 とはいえ、指示待ちで悩んでいる人は、元来真面目な性格に違いない。いきなり割り切って考えろと言われても難しいかもしれない。

「指示待ちで悩んでいる人は、物事を自分で決められないタイプが多い傾向にあります。自分の性質を変えていきたいと思うのであれば、まずは“選択”する癖を付けてみてはどうでしょうか。『今日は何食べようかな』『どこに遊びに行こうかな』など、何でも構いません」

「こうして“選択”ができるようになってくると、指示待ち人間のレッテルを貼られた自分ではなく、“指示待ち人間になることを選んだ自分”になれますし、どうしても改善したいという人は“自発的に行動する自分”を選ぶことだってできるかもしれません」(山田氏)

 ところで筆者も、朝方に上司から「最低限この原稿だけは書き上げてから帰れ!」と叱責されたばかりだが、書き終わった今、追加の指示もないので、早々に“港”である酒場に繰り出すことにしよう。