チームの創造性を上げるためには、メンバーの優れた意見をどんどん取り入れる必要がある。だが、筆者らの研究によって、そこには男女間格差が存在することがわかった。女性の発言が適切に評価されていない様子が見受けられたのである。本記事では、研究の詳細に加えて、この状況を解決するための具体策が示される。


 グループの役に立つ情報を伝える従業員の声にメリットが多々あることは、よく知られている。こうした発言のおかげでパフォーマンスが向上したり、チームがクリエイティブな解決方法を発見する手助けしたり、前進を阻む問題を回避したりする。グループ内で最もよく話す人物がリーダーになる傾向がある、という研究結果も数多くある。

 では、誰が、どのように話すかは、重要なのだろうか。『アカデミー・オブ・マネジメント』誌に掲載予定の記事で、筆者は同僚のエリザベス・マクリーン、カイル・エミッチ、トッド・ウッドラフとともに、この疑問に関する2つの研究を報告する。

 研究からは、発言者が同僚の敬意と評価を得られることと、そうしてステータスが上がった結果、グループのリーダーになる可能性が高まることがわかった。ただし、そうした効果は、一部の人が特定の発言をしたときにしか現れない。具体的には、前向きな(グループを向上させるアイデアを出す)発言をすると、グループ内でのステータスが上がり、リーダーになる可能性が高まった。一方、発言内容が何かを禁ずる(チームの害になるために止めるべき問題や、厄介ごとを指摘する)ものである場合、そうした関連は見られなかった。

 さらに、発言者のジェンダーが重要な要因であることもわかった。アイデアを発言することでステータスが向上し、リーダーになる可能性が高まるのは男性だけであり、女性にはそういうメリットはなかったのだ。