経営 X 人事

国家資格にもなった「キャリアコンサルタント」の機能とは

 企業内キャリアコンサルティングとはなにか、という問いに端的に答えるとすれば、「働く人がイキイキと仕事に集中できる」ように支援すること、といえます。具体的には働く人が仕事に取り組む上での困難に関して相談に応じ、悩みを聴いていくことが、組織課題の解決にもつながる、そのような役割になるでしょう。

 前述のように、職場のコミュニケーション環境が変わる中で、本来であれば上司が部下の相談相手になることが望ましいのでしょうが、それについて専門知識を持った専門部署がサポートする。それが「企業内キャリアコンサルティング」の機能の入り口と言えます。

いつでも相談できる場が社内にある安心感

 安倍晋三内閣の2014年日本再興戦略ではキャリアコンサルティングの体制整備を打ち出しました。これを受けて厚生労働省は2015年に職業能力開発促進法を改正し、それまでは民間資格だったキャリアコンサルタントを2016年4月から国家資格としたのです。

 そして、現在5万人弱といわれるキャリアコンサルタントを、2024年末に10万人に倍増する計画が進行しています。

 企業でのキャリア相談といえば、かつては「転職支援」や「メンタル不調社員の職場復帰支援」と同義だったかもしれません。あるいは、今でもそのような役割だととらえている方も少なからずいると思います。

 ただ、周囲との関係や仕事のことで苦しくなってからではなく、いつでも相談できる場が社内にあることは、社員が仕事に集中できる安心感につながるのです。

 厚生労働省が主導するキャリアコンサルティングも、キャリアコンサルタントにもっと多様な個と組織に資する機能を求めています。

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「企業内キャリアコンサルティング」入門

2016年4月より国家資格となったキャリアコンサルタント。厚生労働省は企業内にキャリアコンサルタントを置き、従業員のキャリア支援を促進することを唱道している。本連載は、他社に先駆けて2001年に伊藤忠商事でキャリアカウンセリング室を創設して初代室長となり、退職後もライフワークとして「企業内キャリアコンサルティング」の普及に努めている浅川正健氏が、キャリアコンサルティングの望ましいあり方と、実際のコンサルティング事例を解説する。

「「企業内キャリアコンサルティング」入門」

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