実践の場面で間違いを直してもらうと、かえって印象に残って自分が覚えやすいのです。学習とは、やってみて、間違って、直して、正しい答えを学ぶの繰り返しなんです。

 さて、英語の原稿の用意が出来たらあとは暗記です。何も見ずに暗唱できるようにしましょう。何度も書き出したり、音読したりするのですが、その際にはイメージ化が大切。頭の中でイメージ化した内容を再現しながら書いたり音読したりしてください。

 ある程度覚えられたら、ストップウォッチで計りながら音読すれば、さらに緊張感も維持できます。自分がはっきりと大きな声で言えたかどうかは、その都度録音や録画をするときちんと確認できますが、ときどきは人前でやることもおすすめ。相手は家族でも、友人でも誰でもいい。きっといい刺激になります。それに、実際会話の場には必ず相手がいるわけですから、人前で話し慣れておくと、よりトレーニングの質も上がります

 そしてこれは英語が上達してもずっと続けたいトレーニングです。この30秒パターンを仮に50個ぐらい持てたとしたら、英語での会話で困ることはまずないでしょう。だって会話をうまく進めるには、いかに自分の得意なネタに相手を引き込むかがカギだからです。 

英字新聞を買って
気になるトピックを1カ所だけでも読む

 仕事で地元京都と東京を新幹線で行き来することが多いのですが、乗車前には売店で英字新聞を買うようにしています。「とりあえず英語に触れておこう」という程度の軽い気持ちで買うのです。

 おかしなもので、英語を勉強し始めた頃は、駅の売店に近づきながら「よーし、英字新聞を買うぞ!」と妙に肩に力が入り、と同時に照れもあるので「誰も見てないやろな」とあたりをきょろきょろと伺ったり。まるで一大事のように思えていました。でも今ではトレーニングのお陰で英語にも少し慣れ、気負う事もなく英字新聞を買えるようになりましたし、目を通すことにも慣れてきました。

 じゃあ、慣れてきた今は一体どのくらい読めているのかと言えば、実は99%の記事は読まずに捨ててしまっています。もったいないかもしれませんが、でも、ほんの少しでもまずは英文を目にすることが大事。そして、1%、たった1つのニュースだけでもいい、自分で辞書なしでざっと目を通し、英文を読むこと自体に慣れていくことが大切なんだと思っています。

 新聞の良さは、まずなんといっても安いこと。1部100円程度でリアルタイムのニュースが読めるんだから、とてもいい教材です。政治、経済、スポーツなど様々な分野のニュースが載っていますが、僕がよく読むのは事件系のニュース。文章内に特別な用語が少ないので、初心者の僕でもわかりやすい。また英字新聞は、読む前からあらかじめ載っているニュースの内容を知っていることも多いので気分的にもラク。そんなときは読みながら分からない英語を推測することもできるのです。

 それに、英語の羅列を目にするとなんだかすごいことが書いてあるような印象を持ってしまいがちですが、いざ読んでみると記事内の一般人の「びっくりした(surprised)」「感動した(impressed)」などの身近なコメントが英語になっていて、そういうカジュアルな表現部分を目にすると、英語に対してちょっと肩の力が抜けたりもします。