[11日 ロイター] - <為替> ニューヨーク外為市場では米連邦準備理事会(FRB)が今週の会合で利上げを決定するとの観測から、ドルが朝方の下げの大部分を回復した。ただ物価上昇が軟調となっていることに対する懸念がドルの重しとなっている。

FRBが12─13日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)を巡り、市場ではFRB当局者が低インフレに対する懸念を表明するかどうか、またこれが来年の利上げペースの鈍化につながるかどうかに注目が集まっている。

前週8日発表の11月の雇用統計では賃金の上昇が鈍いことが確認され、インフレが軟調となっていることで、利上げを進めるFRBの政策運営が一筋縄ではいかなくなるとの懸念が増大する結果となった。

TD証券(トロント)の北米外為戦略部門責任者、マーク・マコーミック氏は、前週の経済指標を受け今回のFOMCに対して若干慎重な見方が増えていると指摘。イエレンFRB議長が引き続きインフレを巡る懸念を表明すれば慎重な見方は高まるとの考えを示した。

今週はFOMCのほか、13日発表の11月の米消費者物価指数(CPI)統計が注目されている。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.09%低下の93.82。一時は93.666まで低下した。

仮想通貨ビットコイン<BTC=BTSP>はルクセンブルクに本拠を置く取引所ビットスタンプで約12%高の1万6455ドル。同取引所で前週8日に付けた過去最高値の1万6666.66ドルに近い水準で推移している。

ビットコインを巡っては米CBOEグローバル・マーケッツ<CBOE.O>が運営するシカゴ・オプション取引所で10日に先物取引<0#XBT:>が開始。先物1月限<XBTc1>は1万5460ドルで取引を開始した。直近の取引では1万7900ドル近辺となっている。

<債券> 米金融・債券市場では国債価格がほぼ変わらず。ニューヨーク市中心部で発生した爆発事件を受け、質への逃避買いが入り上昇する場面もみられた。

この日は3年債と10年債の入札が行われたものの、市場の反応は限定的だった。30年債入札やFOMCの会合を控え、全般的に動きにくい状態という。

12─13日のFOMC会合では利上げや経済見通し引き上げが見込まれる。フェデラル・ファンド(FF)金利先物は、来年3月の利上げについても60%程度の確率を織り込む。

ニューヨークの爆発事件を受け国債価格が値上がりしたことで、3年債や10年債は入札に向け割高になったという。

240億ドルの3年債入札は底堅く、最高落札利回りは1.932%と、市場予想の1.935%を下回った。一方、10年債入札はさえず、最高落札利回りは2.384%と、市場予想の2.380%を上回った。翌12日には120億ドルの30年債入札が行われる。

インフレ動向をうかがう上で13日の消費者物価指数統計が注目されている。

<株式> 米国株式市場は続伸して取引を終えた。原油価格の上昇を受けてエネルギー株が買われたほか、ハイテク株も上昇した。

ハイテクセクターは好調なファンダメンタルズが続くとの期待から買われ、アップルは<AAPL.O>1.9%上昇した。

S&Pの主要11セクターのうち、金融<.SPSY>と工業<.SPLRCI>を除く全てのセクターがプラス圏で終了。エネルギー指数は、北海のパイプラインが修理のため閉鎖したことを受けた原油価格の上昇を手掛かりに0.7%高となった。

市場では12─13日に開かれるFOMCの結果に注目が集まる。CMEグループのフェドウォッチによると、市場は25ベーシスポイント(bp)の利上げを85%の確率で織り込んでいる。また、50bpの利上げは15%の確率で織り込まれている。

ペン・ミューチュアル・アセット・マネジメントの最高投資責任者、マーク・ヘッペンストール氏は株式のバリュエーションについて「経済に関する明るいニュースでさえ相場をリスクにさらしかねない水準に達しつつある」と指摘し、「FRBの引き締めは成長を抑制し得る段階に入ろうとしており、経済にとって良いニュースが市場にとっては悪材料となるリスクがある」と語った。

仮想通貨ビットコインの先物取引が10日に開始され、関心が高まる中、仮想通貨関連銘柄も急伸した。マラソン・パテント<MARA.O>は42.9%高、ライオット・ブロックチェーン<RIOT.O>は45.5%高。

米血液学会の年次会合で臨床データが発表される中、ヘルスケアセクターでは血液疾患の治療薬開発を手掛ける企業に関心が集まった。ブルーバード・バイオ<BLUE.O>はセルジーン<CELG.O>と共同開発した薬品の初期研究で前向きな反応が得られたことを好感して17.9%上昇。セルジーンも1.8%高となった。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、新規の手掛かり材料が不足する中、小幅下落した。下落は3営業日連続。中心限月2月物の清算値は前週末比1.50ドル(0.12%)安の1オンス=1246.9 0ドルと、中心限月ベースで7月20日(1245.50ドル)以来約5カ月ぶりの安値となった。

この日は米主要経済指標の発表もなく手掛かり材料に乏しい中、外国為替市場で対ユー ロでのドルの下げ幅が朝方と午後にかけて一時的に縮小する場面が見られ、ドル建てで取引される金塊などの商品に割高感が生じたことから、金に売り圧力がかかった。

ただ、12、13両日にはFOMCを控えているため、この日は様子見ムードも強かった。今会合での利上げは確実視されているが、市場関係者らはFOMC終了後の声明などから今後の利上げペースに関する手掛かりを得ようとしている。

ニューヨーク市マンハッタン中心部のポート・オーソリティー・バスターミナル付近では11日朝に爆発事件が発生したが、被害が大きくなかったため、市場の反応は限定的だった。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ニューヨーク市内中心部での爆発事件などを受けて買われ、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物の清算値は前週末比0.63ドル(1.10%)高の1バレル=57.99ドルだった。2月物は0.61ドル高の58.05ドルとなった。

ニューヨーク市マンハッタン中心部の爆発では4人が負傷。大きな被害は出なかったものの、この事件をきっかけに買い戻しが入り、相場はプラス圏に浮上した。

また、この日は対ユーロでのドル安基調を背景にドル建てで取引される原油などの商品に割安感が生じたことから、原油が買われた。さらに、北海フォーティーズ原油パイプライン(最大輸送量日量45万バレル)が原油漏れの影響で稼働を停止したことを受けて供給不安が広がり、北海ブレント相場が上昇。WTIもこれになびいた面もあった。

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