12月8日、米共和党の税制改革法案により、企業が海外に持つ利益の本国還流(レパトリエーション)が促され、ドルの長期的な下落に歯止めが掛かると予想している投資家は、期待を裏切られるかもしれない。写真はトルコの両替所で11月撮影(2017年 ロイター/Sertac Kayar)

[ニューヨーク 8日 ロイター] - 米共和党の税制改革法案により、企業が海外に持つ利益の本国還流(レパトリエーション)が促され、ドルの長期的な下落に歯止めが掛かると予想している投資家は、期待を裏切られるかもしれない。

 企業は現在、35%の米法人所得税を回避しようと、海外子会社に利益を滞留させたままにしている例が多い。こうした利益は約2兆6000億ドルに上る。現在通過している下院法案は本国還流分への税率を14%に、上院案は14.49%に、それぞれ引き下げる内容だ。

 しかし、減税が法制化されたとしても、企業が急いで利益を本国還流させるインセンティブは乏しい上、大企業の多くは既に海外利益をドル建て証券に投資しているため、減税が長期的に見てドル高に作用するとは限らない。

 ジョージ・W・ブッシュ政権は2004年、1年間の時限措置として税率を5.25%まで大胆に引き下げ、ウニクレディトの試算では約3000億ドルが米国に還流。米連邦準備理事会(FRB)による積極的な利上げも重なり、ドルは翌年13%近くも上昇した。

 しかし、今回の減税は恒久措置であるため、企業は急いでレパトリを実施する必要がない。

 TDセキュリティーズによると、期間は定かでないが、最大2500億ドルが還流する可能性がある。アナリストによると、これによってドルは多少押し上げられるかもしれないが、4兆5000億ドルに及ぶ世界の外為市場では大きな要因となりそうにない。