駅前という便利な立地ではあるものの、部屋が狭くてベッドの寝心地も悪いという印象が強かったビジネスホテル。だが、それはもはや過去の話で、快適性を巡る競争が激化した結果、ビジネスではもちろん、プライベートでの利用においても高い満足感を得られるようになっている。その結果、出張族やインバウンドたちのみならず、ファミリーなどの観光利用でも人気が拡大中だ。

ビジネスホテルが利用者の囲い込みの
切り札としてポイントカードを導入

 近年、ビジネスホテルを取り巻く環境が目覚ましく変化している。その状況を実際に宿泊して体感したのがホテル評論家の瀧澤信秋氏である。
「私が2014年度に遂行した1年365日ホテルチェックインのミッションでは、1泊の予算を5000円に設定しました。ところが満室で予約できないケースがどんどん増え、それまで泊まれたホテルのロビーは外国人であふれていました」

 この頃から、インバウンドが急増したわけである。特にビジネスホテルは予算的に格好だった上、期待以上のホスピタリティで人気を博した。ただ、一方では別の変化も生じている。
「ビジネスホテル内では出張中のサラリーマン以上に、観光客の姿をよく見掛けます。最近はプライベート利用が大きな割合を占めてきており、観光旅行でのビジネスホテル利用が定番化しつつあります」(瀧澤氏)

滝沢氏ホテル評論家・旅行作家  瀧澤信秋
もともと経営コンサルタントだったが、趣味が高じて2013年からホテル評論家に転身。14年度に「365日365ホテルの旅」と題したミッションを自らに課し、372軒のホテルにチェックイン達成。以来、非ホテル業界出身のホテル評論の第一人者として引く手あまた。

 レストランや宴会場まで備えたシティホテルと差別化を図るため、ビジネスホテルは宿泊特化型サービスの充実に注力。そして、3B(大浴場、ベッド、朝食)の質を向上させると、インバウンドのみならず国内の観光客にも評判となったのだ。

 その競争は熾烈化し、もはや快適性においてはさほど差がつけられなくなっているのも実情。そこで、各ホテルが利用者の囲い込みのための切り札として強化したのが会員プログラムだ。
「大手ホテルチェーンが発行する会員カードに対抗すべく、独立系ホテルも独自の会員カードを発行するケースは増えたものの、なかなか対抗できない状況でした」(瀧澤氏)


 そのような独立系ホテルを束ねた会員カードが「Aカード」だ。同カードは全国400以上の加盟ホテルで共通のポイントが付く仕組みだ。また、SuicaやPonta、WAONなどと提携し、それらのポイントが付くホテルも出てきた。

 「10泊で次の1泊が無料になるパターンもありますが、キャッシュバックが受けられる方が人気ですね。出張族にとって、無料宿泊では領収書をもらえないので」
 こう語る瀧澤氏だが、彼自身はあまり利用していないのが実情だ。
「枚数が増えて持ち歩くのが面倒だからです。その点、Aカードは1枚で全国共通だから便利です」
 一方でポイントカードには、年間宿泊数に応じてステイタスや特典のクオリティー向上など、まだ進化の余地があると指摘する瀧澤氏。最後にこんな耳寄り情報もささやいてくれた。

 「宿泊サイトでの予約が最も有利というイメージが強いですが、ホテルの公式サイトで直接申し込む方が安い。宿泊サイトはホテルから手数料を徴収しているからです。現に『最安値宣言』という言葉で検索すると、上位に入るのはホテルの公式サイトです」
 同じホテルの宿泊でも、ポイントカードや知識の有無で実質料金が異なる時代になった。


 

 


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