「面接は、映画の予告編」

  模擬面接指導を終えて、居酒屋で学生と話をした時に、面白い話が出てくることは多いです。
  「なんで、模擬面接の時にその貴重な体験を話さなかったの。もったいない」
  と感じます。

  本番の面接でも一人一人の就活学生と2~3時間、じっくり話をすることができればいいのですが、それは不可能です。
  残念ながら、あなたという映画を2時間かけて観ることはできないのです。

 面接とは、例えるなら「映画の予告編」です。
  映画の予告編は、その映画のクライマックスの場面を数分みせながら、そこに魅力的なコピーをのせていきます。
  面接もこれと同じです。
  22年間のあなたの人生のクライマックスの場面を、初対面のおやじ面接官の頭の中にありありと浮かばせ、そこにコピーをのせていくのです。

  面接官の頭に、あなたのクライマックスの場面が浮かんだ時、ようやく「5年後、10年後のあなた」をイメージすることができます。
  少なくともおやじ面接官の私は、そう感じています。

  では、「5年後、10年後のあなた」をイメージさせるためには、どうすればいいか。
  そのために大切なことは、具体的なエピソードを語っていくことです。
  塾の講師をやっているのだったら、「どんな規模の塾なのか」「どんな生徒がいるのか」「あなたが一番困ったのは何だったのか」「その時、あなたはどう感じ具体的にどう動いたのか」「動いたことで何が起こったのか」「そのことについて、今どう感じているのか」
  固有名詞で、具体的な数字、具体的な言葉を交えて語っていかなければなりません。
  その時、具体的に動いたこと、感じたこと、手に入れた自分なりの考え方を語っていくのです。

  聞きたいのは、結果ではありません。
  少なくとも私は、そう思っています。
  「その時に、どう感じて、具体的に動いたのか。その結果、何が起こり、そのことについて今どう思っているのか」
を聞きたいのです。