サラリーマンでも手取りは増やせる!

 よく「サラリーマンの収入はガラス張り」と言われます。さらに、勤務先の年末調整が済めば、基本的には自営業やフリーランスのように毎年確定申告する必要はないため、「サラリーマンは税金を安くして、手取りを増やすことなどできない」と考える人が多いでしょう。本当にそうでしょうか。いえいえ、そんなことはありません

 サラリーマンでも、税金や、控除の仕組み、そして、最近、始まった、税金を減らせる年金制度のことがわかれば、手取りが増やすことができるのです。

 たとえば、税金を減らせるIDeCo(個人型確定拠出年金)という制度があります。はじめて知る人には、字面からなんだか難しそうに感じますね。これはやりたい人だけがやるという制度なので、まだ、たった1割の人しか始めていません。でも、実は「自分の年金を自分で貯めることによって、その分、納めている税金が戻ってくる!」という究極の節税制度なのです。これはやらないとソンですね。自分の将来のためにお金を貯めることで、今の手取りを増やすことができるのです。さらに、税金の仕組みを知っておくと、いいことがあります

退職金の受け取り方法で
130万円の手取りが違う!

 たとえば、将来、あなたがサラリーマンを卒業して、めでたく退職金を受け取るとします。退職金というのは、イメージでは退職時にまとめて一括で受け取るもの、と思っているかもしれません。
 しかし、退職金はまとめて一括で受け取る場合と、退職してから、年金の形式で毎年、毎年、いくらかずつ受け取る……という2つの受け取り方があります。そして、その退職金の受け取り方によって、その金額から引かれる税金が130万円も違ってしまう!ということもあるのです。
(詳しくは、本連載の第4回でご紹介します)

私は、ファイナンシャルプランナーとして、この21年間で、さまざまなお金の相談を4000件以上、受けてきました。結婚したとき、家を買うとき、そして退職したときなど、いろいろな場面で個人の家計を見てきましたが、ここ10数年でどの世代についても以前に比べ、ずいぶんと手取りが減っている……と実感しています。

税金の仕組みは、ともすると難しそうに思えます。拙著では図やイラストを多く使って、できるだけわかりやすくする読めるよう心がけました。ぜひご一読いただければ幸いです。