アマゾンに先行する
AI無人決済システム

サインポストの無人コンビニのデモ。店内のすべての商品はカメラで認識されており、だれが何を手に取ったのかを自動的に記録する

 大宮駅西口に設けられた特設展示コーナーには、3社によるデモンストレーションのブースが置かれ、通勤・通学や買い物などで行き交う多くの人々が興味深そうに眺めたり、実際にサービスを体験したりと、おおいに盛り上がった。なかでもひときわ目を引いたのが、サインポストによるAI無人決済システムのデモンストレーションだ。

レジの前で電子マネーをかざせば決済が完了。ここまで全て無人オペレーションだ

 特設展示コーナーの3分の1ほどを占めるスペースに、食品や飲料などの棚が並ぶ本物そっくりのコンビニエンスストアを設置。しかし、普通のコンビニと違ってレジカウンターはなく、店員すらいない。よく見ると、天井には店内に入った客を認識するカメラが設置されており、棚の手前側にも商品に向けられたカメラが据え付けられている。

 これらのカメラによって、客が商品を手に取ると「誰が、何を買ったのか」をAIが自動認識し、自動的に購入商品の合計額が算出される仕組みである。同様のサービスはアマゾンでも研究・開発を進めているが、サインポストはいち早く実用化に向けて前進した。

サインポストの蒲原寧社長は、無人店舗を「コンビニの深刻な人手不足問題を解決する決め手になる」と説明

 このテストマーケティング開始の翌日に東証マザーズ上場を果たしたサインポストは、「早ければ2018年春にも、JR東日本とのコラボレーションによって実用化を果たしたい」(蒲原寧代表取締役社長)と意気込む。JR東日本が発行する「スイカ」などの交通系ICカードで無人店舗にゲートインし、商品を手に取った後、出口で再びICカードをかざすと決済が完了するといったイメージだ。

 蒲原氏は、「コンビニエンスストアの人手不足は深刻化しており、無人化やレジレスによる作業効率化は避けて通れない課題だ。JR東日本が駅構内で展開するコンビニの無人化支援などによって実証データを積み上げ、技術をさらい磨いてサービスの普及を図りたい」と語った。