[ブリュッセル 12日 ロイター] - 米フェイスブック<FB.O>は12日、広告収益を国際本部を置くアイルランドの首都ダブリンではなく現地で計上し始める意向を示した。ただこの動きでフェイスブックの税負担が大幅に増えることはなさそうだ。

多国籍の大手企業による租税回避の問題が明らかになる中、法人税が大きく取り上げられている。企業に対する課税を増やすように求める声が高まっているほか、欧州連合(EU)は情報技術(IT)企業に対する課税を強化する方法を検討し始めた。

フェイスブックのデビッド・ウェーナー最高財務責任者(CFO)は、広告販売業務に携わる部署がある国においては現地で会計報告することを決めたと述べた。ブログで「簡単に言うと、現地チームが携わった広告の収益は、ダブリンの国際本部ではなく、その国の現地法人で計上する」と説明した。

「現地の売り上げ体制へ移行することで、現地法人が携わった売り上げに関連する収益における透明性の改善を求めている世界各国の政府や政策当局者に対してより高い透明性を提供できる」と付け加えた。

EUの欧州委員会は、国際的なIT企業への増税に向けた法案に取り組んでいる。こうした企業はアイルランドやルクセンブルグなど税率の低い国にEU本部を置き、そこでEUでの利益を計上することで十分な税金を払っていないとの批判を浴びている。法案は3月に完成する見込みだ。

9月に公表されたEU文書によると、IT大手への増税を素早く進める方法としてEU幹部が検討している対策の一つは、広告収益への課税だ。

ウェーナー氏は、フェイスブックが2018年を通して現地計上への移行を進め、19年上半期までに完成することを目指すと述べた。

フェイスブックは16年4月、英国の一部売り上げにおいて、収益を英国で計上する体制へ移行した。この年、英国で計上された収益と利益は大幅に増えた。前年まで蓄積していた税控除もあり、250万ポンド(334万ドル)の課税につながった。それでも尚、フェイスブックの実効税率は低かった。体制変更後も英国で計上する利益は相対的に少ないからだ。16年に英国で報告した利益率は7%を下回ったが、それに対してグループ全体では約45%に達した。

英国の例を見る限り、今回の現地計上への移行は大した増税にはならないとみられる。