給料の手取りは15年間下がり続けています。年金の手取りは、18年間で1割以上も減っているケースも!減らす要因は何でしょうか。手取りを増やすワザを使いこなすためにも仕組みを知りましょう。新刊『サラリーマンのための「手取り」が増えるワザ65』から、抜粋してご紹介します。

額面年収700万円なら15年間で50万円の減少!

実は、給料の「手取り」はずっと下がり続けているという衝撃の事実があります。

 下のグラフは、額面年収700万円の人の2002年から2017年までの「手取り推移」です。15年間でなんと50万円も減っているのです!
 額面年収500万円の場合でも、35万円の減少です。

 給料がずっと変わらなかったとしても、「手取り」が減っているということは、「引かれるお金」が増え続けているということです。
 2003年以降、制度改正が相次ぎ、所得税も住民税も、厚生年金保険料も健康保険料もすべてアップし続けているため、見事に右肩下がりのグラフとなっています。

 給料の「手取り」が減り続けている背景は、この15年間、ほぼ毎年「手取り」が減る改正が行われていたからです。

◆手取りが減るおもな制度改正

【2003年】社会保険料の総報酬制によりボーナスの手取りが減る
【2004年】配偶者特別控除の一部廃止により専業主婦またはパートの妻のいる夫の手取りが減る
【2006年】定率減税の廃止により所得税・住民税アップ
【2011年】中学生以下の子どもの扶養控除廃止、高校生の子どもの扶養控除の縮小により、子育て世帯の手取りが減る
※税金の改正は所得税の実施年。住民税は翌年実施

中でも影響が大きかったのは、2011年の「中学生以下の子どもは税金面での扶養から外す」改正です。前のページのグラフを見ると、手取りがガクンと減っていることがわかります。

 これは民主党政権時代に中学生以下の子どもを対象に「子ども手当(現在は児童手当)」を作り、そのお金を捻出するために税金面での扶養から外すことになりました。計算してみると、児童手当をもらっても「手取り」が減った分はカバーされません。大きな「増税」だけの結果となりました。

このほかに厚生年金保険料は2004年から2017年まで14年連続で引き上げられています。

深田晶恵(ふかた・あきえ)ファイナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。1967年生まれ。外資系電器メーカー勤務を経て96年にFPに転身。現在は、特定の金融機関に属さない独立系FP会社である生活設計塾クルーのメンバーとして、個人向けコンサルティングを行うほか、メディアや講演活動を通じてマネー情報を発信している。20年間で受けた相談は4000件以上、「すぐに実行できるアドバイスを心がける」のをモットーとしている。ダイヤモンドオンライン、日経WOMAN等でマネーコラムを連載中。主な著書に『住宅ローンはこうして借りなさい 改訂6版』『平均寿命83歳! 貯金は足りる? 定年までにやるべき「お金」のこと』(ダイヤモンド社刊)『共働き夫婦のための「お金の教科書」』(講談社刊)ほか多数。