会計のスペシャリストの弱点

 複数の事業を展開している株式会社近森産業(高知県)の白木久弥子社長は、もともと東京で活躍していた公認会計士。

 家業を継ぐことになって高知に戻り、不採算事業に次々とメスを入れていきました。

 さすがは会計のスペシャリストで、1年で見事に赤字が解消されました。

 しかし、問題はそこからです。

 会計の専門家であることと、経営の専門家であることは違います。

 会計の専門家はマイナスをゼロにすることはできても、ゼロからイチをつくることはできない。

 そこは経営者の領域です。

 会計の専門家には、もうひとつ弱点がありました。

 数字に厳密すぎて、決断や行動が縛られてしまうことです。