[ホーチミン/シンガポール 18日 ロイター] - ベトナム国営ビール最大手、サイゴンビール・アルコール飲料総公社(サベコ)<SAB.HM>の株式54%の入札で、タイ飲料大手タイ・ビバレッジ<TBEV.SI>傘下のベトナム・ビバレッジが落札した。取得額は48億4000万ドル。

ベトナム企業の民営化における最大案件となった。現地企業が取得可能な株式54%全てを希望したのはベトナム・ビバレッジ1社のみだった。

ロイターは先に、アンハイザー・ブッシュ・インベブ<ABI.BR>やキリンホールディングス<2503.T>など、その他のビール大手も関心を寄せていると報じたが、いずれも入札には参加しなかった。

サベコは「サイゴンビール」や「333(バーバーバー)」などの商品を抱えている。同社の過半数株取得によって、ビール「チャーン」でタイ市場を独占するタイ・ビバレッジは、市場規模64億8000万ドル(昨年実績)のベトナム市場での足場作りが可能になる。

ベトナム政府はサベコの入札で1株当たり32万ベトナムドン(14.1ドル)の最低価格を設定。株価は昨年の上場以来3倍近くまで上昇、30万9200ドンとなっていた。また、外資の保有は49%に制限されているため、外資による入札の対象となったのは39%にとどまった。

最低価格は中核利益の約36倍と、世界の競合社の水準を大きく上回っている。タイ・ビバレッジを所有するタイの富豪チャルーン・シリワタナパクディー氏はサベコ株に大幅なプレミアムを支払ったことになる。

関係筋はロイターに対し、タイ・ビバレッジは海外市場に進出するためにサベコ買収に意欲的だったと明かした。

チャルーン氏はすでにシンガポール飲料大手フレーザー・アンド・ニーブ<FRNM.SI>を所有するなど、アジアの飲料市場で存在感を強めている。ベトナムでは乳製品大手ビナミルク<VNM.HM>の株式20%近くをフレーザーを通じて保有している。