[ワシントン 21日 ロイター] - 米商務省が21日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)確報値は、年率換算で前期比3.2%増と、改定値の3.3%増からやや下方改定されたが、2015年第1・四半期以来の大幅な伸びを記録した。

第2・四半期GDPは3.1%増だった。2四半期連続で伸び率が3%を超えたのは2014年以来。ただ第3・四半期GDPの数値は実体経済より誇張されている可能性が高い。

支出面に着目したGDPに対して、所得面から経済活動を把握する国内総所得(GDI)は第3・四半期に2.0%増加した。改定値は2.5%増だった。

米経済成長をみる上でより良い手法とみなされているGDPとGDIの平均は2.6%増と、改定値の2.9%増から下方改定された。

米議会共和党は今週、約30年ぶりの大幅改定となる税制改革法案を可決した。トランプ米大統領にとって大きな勝利だ。大統領は直に法案に署名する見込み。減税幅は1兆5000億ドルだ。

エコノミストは、法人税を35%から21%へ引き下げることなどが含まれた同税制改革による経済効果は控えめだとみている。米経済は最大雇用状態にあり、財政面での景気刺激策は景気過熱につながる危険性がある。

ムーディーズ・アナリティックスの首席エコノミスト、マーク・ザンディ氏は「長期的にみて、減税による経済押し上げ効果はあまりない。一方で財政赤字と債務は著しく増える」と指摘した。

このほか、ムーディーズ・インベスターズ・サービス(ニューヨーク)の世界信用戦略・調査部門責任者、アン・ヴァン・プラグ氏は「減税措置が全体的な経済成長率に及ぼす影響は0.1─0.2%程度と、控えめなものになる」と予想。「法人税率引き下げで企業投資が有意に増加するともみていない」と述べた。

経済が堅調に推移し、労働市場の引き締まりも継続するなか、アナリストの間ではそもそも大規模な減税措置が必要なのか疑問も出ている。MUFG(ニューヨーク)の首席エコノミスト、クリス・ラプキー氏は「景気後退(リセッション)に見舞われていない時に、議会が企業と個人向けに減税を決定したことはいまだかつて見たことがない」とし、「2018年は荒れる可能性がある」としている。

第3・四半期は、機器投資が10.8%増と、3年ぶりの大幅プラスとなった。改定値の10.4%増から上方改定された。在庫投資の増加や政府支出の持ち直しも押し上げ要因となった。

米経済の3分の2以上を占める個人消費は改定値から0.1%ポイント引き下げられ2.2%増だった。個人消費は第2・四半期に3.3%増と、底堅く伸びていた。

税引き後企業利益は5.7%増と、改定値の5.8%増から下方改定された。第2・四半期は0.1%増にとどまった。未分配利益は第3・四半期に13.9%増。前四半期まで2四半期連続でマイナスとなっていた。企業が大幅減税を見込んでいたことを示唆する。

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