しかし、金融庁は18年に大型の組織再編を行うと発表。下図のように、検査局を解体して廃止することを決めたのだ。背景には、不良債権問題の収束がある。

 銀行が不良債権の処理を先延ばしにしたのは、銀行が課せられている自己資本比率規制の影響が大きい。下図のように、銀行の自己資本比率は、分子に質の高い資本、分母にリスクアセットと呼ばれる融資の貸し倒れリスクなどを反映した資産を置くが、地方銀行に多い国内基準行には4%以上の値が求められる。

 ところが、当時は不良債権を一気に処理すると、それによって生じる損失が巨額過ぎて分子の自己資本を取り崩す必要があり、最低水準を割り込みかねなかった。そのため分母を減らそうと、貸し剥がしや貸し渋りが横行した。

 その後、国が銀行に対して公的資金を注入して自己資本を厚くし、検査官が立ち入り検査で処理を迫ることで、2000年代半ばにようやく不良債権問題と決別できた。

 上表下を見ればそのことが一目瞭然だ。国内基準行の地銀を対象に、連結自己資本比率のランキングを作成。ベスト5とワースト5を並べ、不良債権問題が真っ盛りだった02年3月期と、17年3月期を比較してみた。