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金融市場異論百出

「マラドーナ理論」を模索する米国
次回のFOMCに残された課題

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2011年12月21日
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 「偉大なアルゼンチンのサッカー選手、マラドーナが、1986年6月のワールドカップ・イングランド戦で見せた2度目のゴールは、金利の現代理論における“期待の力”を示唆したものだった」。イングランド銀行のキング総裁は2005年5月の演説でそう語った。

 マラドーナは5人の選手をかわし、60ヤードを独走してシュートを決めた。彼は直線的に走っていた。敵側選手の予想を利用したのである。キング総裁は「金融政策も同様に機能する。市場金利は中央銀行が何をするかという予想に反応する」と述べ、それを「金利のマラドーナ理論」と命名した。

 同行がインフレ目標を採用している大きな理由の一つに「マラドーナ理論」がある。中央銀行が目指すインフレ率を公開すれば、市場は中央銀行の今後のアクションを予想して金利形成を行う。同行がアクションを実際に取る前に、経済に影響を及ぼすことができる。

 ただし、近年のイングランド銀行のインフレ目標は緩やかなものになっている。英政府が同行に課している目標は+2%だが、インフレ率は+3%以上の状態がすでに2年近く続いている。英国におけるインフレ目標はかなり寛容な、達成実現までに時間がかかる気の長いものへと変容している。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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