地震で建物が倒壊・焼失した後に残るがれきの山。阪神・淡路大震災では約1450万トン。東日本大震災では、東北3県の合計で2300万トンを超えた。

 首都直下地震が発生したら、東京23区だけでこれらをはるかに上回る3885万トンの震災廃棄物が発生すると想定されている。23区の1年間のごみ排出量は約360万トン。10年分を超えるごみが、一気に発生することになるのだ。

区内ほぼ全域で液状化の恐れあり
地震発生で区の24年分のごみを生む!?

 葛飾区で発生が想定される震災廃棄物は367万トン。23区の1年間のごみより多い。葛飾区から普段出るごみの量と比べると、何と24年分に相当する(普段のごみ排出量は、収集ごみと持込ごみの合計。区別の持込ごみ量は、23区の合計を昼間人口で按分した)。

 多量のがれきの発生は、被害の悲惨さを物語っている。地盤は軟弱で、区内のほぼ全域で液状化の危険がある。建物の不燃化率は20位。木造建物密度4位。低層建物比率と木造一戸建て住宅の割合は最多。葛飾区は、典型的な木造密集地帯である。

葛飾区――地盤の弱さや木造建物の密集をカバーする「公園サバイバル基地化計画」

 加えて、平均道路幅員18位。幅員13m以上の道路延長比率20位、19.5m以上は22位。公園面積比率は13位で23区の平均を下回る。

 工場密度4位。1事業所あたりの従業者数は台東区、荒川区に次いで低く、零細工場が多い。さらに、地場産業であるプラスチック製品製造業は、燃えやすい素材を扱う。