俳優や監督が、その作品を
観てもらうために売り込みを!?

 映画や舞台の公開前には、よく主演を務める俳優や監督などが、PRのために雑誌のインタビューを受けたりするでしょう。そこで、彼らにそのプレゼンをしてもらう、という企画を考えました。

 実際に演じている俳優やもっとも作品を知っている監督に、この映画や舞台は何が面白いのか、どうして観てほしいのか、僕に売り込んでもらうのです。

 この連載には、ハリウッドの俳優も監督も喜んで出てくれました。マット・デイモンもモーガン・フリーマンもティム・バートンも、みんなが僕に作品を売り込むのです。

 僕が話を聞きながら、「うーん、でもまだ面白いとは思えないなぁ。行くのやめようかなぁ」などと言おうものなら、真剣な顔をしてさらに売り込んでくる。

 こうして僕は、多くの映画や舞台を観に行くことができました。

 というよりも、そのあと連載の原稿を書くのですから、観に行かないわけにはいきません。そういう状態に、自分を追い込んだのです。

 自ら仕掛けをつくり、自分をはめ込む。

 僕のような仕事以外の人でも、いろいろとやり方はあるはずです。楽しんで、その仕掛けをつくってみてほしいと思います。