だから私自身が来年から京都学園大学で理事長をやることにしました。そこに工学部を新設してモーターに関連する学科を新設します。モーター制御やAI(人工知能)など自分のところに欲しいエンジニアを育てる学部を作って、その学生が4年後に卒業するときにわれわれが採用したい。

 もう「人材不足だ、政府が悪い、世の中が悪い」と嘆いている暇はありませんからね。日本電産が欲しい人材は、自分たちで大学から育成することにしました。

 さらに、2018年には(京都府)精華町に生産技術研究所の建物がオープンします。ここに将来的に1000人の研究者を集めます。

 売上高は20年に2兆円にして、30年に10兆円にするですから、そのためのキーは人材です。そうやって今から10年先、20年先の人材を確保するのです。

――最後に2018年の日本経済、日本企業の見通しをお願いします。

 もはや日本全体を平均値で語る時代ではないでしょう。いい会社はすごくよくなって、ダメな会社はさらにダメになる。経営力のあるところはよいが、それがないところは、競争に負けて悲惨なことになるでしょうね。技術革新に乗れない会社は企業競争では非常に厳しい年になる。特に中国との競争では、技術的に優れたものを作っていなければ価格競争になります。

 どんな業界でも、昔は上位3~4社くらいは利益をあげていたものですが、今では業界ナンバー1がほんとんどの利益を持って行ってしまう時代です。2位ですら赤字を出している業界がある。僕は何事も厳しいという言い方は好きじゃないんだけど、競争は激化することは当たり前になるでしょう。

 1年はあっという間ですが、その間に起こることはたくさんです。周囲の環境は、北朝鮮や米国のリスクもありますが、それを言い出したら経営などできません。自分たちの会社は自分たちで守る。そういう経営をするしかないでしょう。

ながもり・しげのぶ
1944年生 京都府出身 67年 職業訓練大学校電気科卒。73年 京都市内の自宅で日本電産を創業。パソコンに内蔵されるハードディスクドライブ(HDD)用の精密小型モーターで業績を伸ばし、積極的なM&A(合併・買収)で車載、産業、家電用モーターに進出、高成長を実現した。