本企画では、ハーバード・ビジネス・レビューに掲載された数多の論文から、グローバル・リーダーに必須の知識を授ける論文を厳選し、これまで4回にわたって公開してきました。今回は、これまで掲載した論文10本を、まとめて紹介いたします。
本企画は12月末にて終了する予定でしたが、新年も継続され、近日、新たに論文を追加公開することが決定しました。詳細は、2012年1月中に当ウェブサイト上、および登録者の皆様へのご案内メールにてお知らせします。

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多国籍企業から地球企業の時代へ
地球市場は同質化へ向かう
セオドア・レビット(ハーバード・ビジネス・スクール名誉教授)
(1983年9月号掲載)

マーケティング思想家といわれたレビットは、1983年という時期に、テクノロジー(すなわちIT)の力によって、次第に地球はフラット化し同質化 していくという予見を打ち出していた。また彼は、これに伴い、単純化と標準化が進み、グローバルに規模の経済が働くようになると喝破した。このレビットの 先見は、90年代以降のグローバリゼーション、すなわちグローバルITCネットワーク、新興国の台頭と新しいタイプの国際競争、BOPという市場創造など を裏づけている。この論稿を読むことで、今後のグローバル競争のパースペクティブが得られる。

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「規模の経済」「ローカル適応」「差異の利用」
トリプルAのグローバル戦略
パンカジュ・ゲマワット(ハーバード・ビジネス・スクール教授)
(2007年6月号掲載)

営業活動のみならず、生産活動もグローバル化していくなか、グローバル戦略をいま一度問い直す必要がある。そのポイントは、国境の両側に存在する差 異にどのように対応するかである。IBM、P&G、GEヘルスケアなどの先進的なグローバル企業や、オフショアリングの波に乗るインドのソフトウ エア企業などは、「適応」「集約」「アービトラージ」という3つの基本戦略を統合したグローバル戦略を構築している。本稿で提案する「トリブルAトライア ングル」は正しいグローバル戦略を構築するフレームワークとなるものだ。

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グローバル・マネジャー5000人以上への調査が明かす
世界で通用する人材の条件
マンスール・ジャビダン(サンダーバード国際経営大学院名誉教授)
メアリー・ティーガーデン(サンダーバード国際経営大学院教授)
デイビッド・ボーエン(サンダーバード国際経営大学院教授)
(2011年3月号掲載)

国内では常に高い業績を上げ、やる気や野心を持ったエース社員がグローバル環境となると、まったく成果を出せなくなるケースがある。異なる環境でも 活躍できる人材と、失敗に終わる人材の分かれ道はどこにあるのか。世界各国のシニア・エグゼクティブ200人以上、マネジャー5000人以上を対象に調査 を行った結果、明らかになったのが「グローバル・マインドセット」の違いである。グローバル・マインドセットは「知的資本」「心理的資本」「社会的資本」 で構成され、すべての資本に秀でた人材が、グローバル環境でも成果を上げることができる。グローバル・マインドセットの有無は育った環境に大きく左右され るが、後発的に向上させることは可能である。本稿では、グローバル・マインドセットの詳細とその開発方法について解説していく。

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新興国と先進国の経済協調を目指して
リンカーンの智恵
ロバート D. ホーマッツ(ゴールドマン・サックス副会長)
(2003年11月号掲載)

強者と弱者の二極分化、貧富や優劣の格差、第一世界と第三世界、あるいは旧勢力と新興勢力の対立。グローバリゼーションはこのような二項対立を助長 したかに見える。しかし、これらは一時的なダイバージェンス(拡散)であり、やがてはコンバージェンス(収れん)されていくだろう。部分と全体の利益相反 を解消しながら、いかに統合させるか。筆者は、エイブラハム・リンカーンにそのヒントを見出した。

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ソフト・パワーとハード・パワーを使い分ける
スマート・パワー
ジョセフ S. ナイ, Jr.(ハーバード大学ジョン・F・ケネディ行政大学院教授)(2009年2月号掲載)

ジョセフ S. ナイは、カーター、クリントン両大統領の下で政府の要職を務め、その経験から導き出された「ソフト・パワー」という影響力行使の能力の概念を提唱したこと で知られる。威圧や報復といった手段を駆使するハード・パワーに対し、ソフト・パワーとは、魅力やビジョン、コミュニケーションなどが手段となる。ビジネ ス・リーダーは、社内外の多様性に対処し、これをマネジメントしなければならない。そのためには、これら2つのパワーを臨機応変に使い分ける「スマート・ パワー」の能力が求められる。

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戦略策定に新たな視点を
新興国市場に適応する条件
パンカジュ・ゲマワット(ハーバード・ビジネス・スクール教授)
(2011年5月号掲載)

2008年の金融危機の余波を受けて国内需要の低迷が続くなか、大規模途上国は最も魅力的な市場である。しかし、先進国企業は現地国に適応するよ う、さらなる努力が必要だ。これまで対象としてこなかった層もターゲットとし、よりカスタマイズされた製品をより低価格で提供することである。また、もっ と投資の目利きになると共に、市場の競争相手に注意を払わなくてはならない。プロセス・イノベーションと製品イノベーションの両面で、新興国の役割はさら に大きくなるだろう。現地国の組織上の権限が高まり、企業は重要な機能をさらに国外へ移すようになる。こうした組織の新しい現実を反映して、より多様な人 材のプールを構築することが求められる。そのためには、ITを活用したコミュニケーションの強化、強力なコーポレート・アイデンティティの確立が不可欠で ある。また、自社のみならず、ビジネス界全体のレピュテーションを立て直すことにも目を向けなければならない。

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41ヵ国3300人の調査から明らかにする
グローバル・ブランドの真実
ダグラスB. ホルト、ジョンA.クウェルチ、アールL. テイラー
(2004年11月号掲載)

グローバル・ブランドには強大な力がある。それゆえ、同時に背負わなければならない責任がある。グローバルというメリットと責任を同時に管理してこ そ、企業はその価値を最大限に引き出すことができる。筆者らは、グローバル・ブランドに関する消費者の認識についてまず41カ国1500人に、次いで12 カ国1800人に調査し、グローバル・ブランディングに求められる特性を明らかにした。

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4つの基準と3つのアプローチで成功率を高める
グローバルB2Bマネジメント
ジョージ S. イップ(ロンドン・ビジネススクール 教授)
オードリー J. M. ビンク(アクスブリッジ・カレッジ マーケティング・コミュニケーション学部長)
(2007年12月号掲載)

新興国市場の台頭によって、グローバル化に拍車がかかっている。その結果、多国籍企業やグローバル化に意欲的な企業を顧客に抱える企業は、彼らのグ ローバル・ニーズを満たすために新たな能力を育成しなければならない。その能力こそ「グローバル・アカウント・マネジメント」(GAM)である。多くのサ プライヤーはその対応に四苦八苦しているが、正しく導入できれば、さらなる成長が望める戦略的ツールである。本稿では、ヒューレット・パッカードやユニ リーバ、IBMなど、GAMのベスト・プラクティスを引きながら、事前に検討すべき4つの基準と3つのアプローチを紹介する。

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8つの基本原則を検証せよ
GBSC:企業行動規範の世界標準
リン・ペイン(ハーバード・ビジネススクール 教授)
ロヒト・デシュパンデ(ハーバード・ビジネススクール 教授)
ジョシュア D. マーゴリス(ハーバード・ビジネススクール 准教授)
キム・エリック・ベッチャー(元ハーバード・ビジネススクール リサーチ・アソシエート)
(2006年 3月号掲載)

いまや現代企業は、利益を追求するだけの経済機関を超えて、さまざまなステークホルダーの利益に配慮する社会機関へと変わっている。しかし、法を逸 脱した行為、倫理にもとる行為が後を絶たない。このような状況から、国際機関や各国政府、市場監督機関や各種団体が企業のあるべき姿を示した行動規範を 次々に発表している。そこで筆者たちは、これらの行動規範23種類を分析し、その共通点と相違点を洗い出し、「グローバル・ビジネス・ガイドライン」 (GBSC)という独自の行動規範を作成した。

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ブランド構築における効率性と多様性の相克
グローバル戦略とローカル戦略をいかに両立させるか
ピーター M. トンプソン(ペプシコ・ビバレッジ・インターナショナル 社長兼CEO)
ジェニファー L. アーカー(スタンフォード大学 経営大学院 助教授)
ハリウッシュ・マンワニ(ユニリーバ ホーム・アンド・パーソナルケア部門 ラテンアメリカ地区担当社長)ほか
[ケース・ライター]アナンド P. ラマン(HBR シニア・エディター)
(2003年 10月号掲載)

世界的な化粧品メーカーであるエスポワールは、大ヒット映画の続編とタイアップした新たなグローバル・ブランド戦略を計画している。しかし、ローカ ル・マネジャーたちは、そのような本社の考え方に否定的である。計画の立案者であるナターシャ・シンは、いかにしてグローバルとローカルの相克を克服すべ きか。

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